犬の去勢や避妊手術を考えるとき、最も気になるのが「費用はいくらかかるのか」という点ではないでしょうか。病院や犬の大きさによって差があるため、事前に相場や助成金の有無を知っておくことは安心につながります。
さらに、手術の流れや適した時期、メリット・デメリットを理解しておくことで、後悔のない判断ができます。
この記事では、手術の費用や準備のポイントに加え、飼い主さんの体験談やチェックリストもご紹介。術後は食事管理がより大切になるため、フード選びにもつながる情報として参考にしてください。
去勢・避妊手術は、犬が繁殖できないようにするために行う代表的な外科処置です。
去勢手術(オス犬):精巣を摘出する手術。比較的短時間で終わることが多いです。
避妊手術(メス犬):卵巣または卵巣・子宮を摘出する手術。去勢よりも身体への負担がやや大きくなります。
どちらも全身麻酔で行われ、数時間の処置で終了するのが一般的です。
血液検査やレントゲンで麻酔リスクを確認。年齢や健康状態によっては追加検査も行います。
全身麻酔下で摘出を実施。数時間で終了し、麻酔からの回復を確認します。
半日〜1日の入院で経過観察。病院によっては日帰りも可能です。
術後10日前後に抜糸。回復状態や生活上の注意を再度チェックします。
小型犬:生後6〜12か月頃
中型犬:生後8〜12か月頃
大型犬:12か月以降を推奨されることもあります
発情前に行うと病気予防効果が高いといわれていますが、犬種や体格、成長スピードに応じて判断することが大切です。
犬の去勢や避妊手術にかかる費用は、犬の体格や病院によって幅があります。さらに自治体によっては助成制度を利用できるため、相場とあわせて確認しておくと安心です。
去勢・避妊手術の費用は、以下のようにオスとメスで差があります。
オスの去勢手術:15,000〜30,000円前後
メスの避妊手術:25,000〜50,000円前後
術前検査(血液検査・レントゲン)や薬代が別途5,000〜15,000円程度かかる場合もあります。特に大型犬は麻酔量や手術の負担が大きいため、さらに費用が高めになる傾向があります。
多くの自治体では、去勢・避妊手術に対して5,000〜20,000円前後の助成金が用意されています。
ただし、
・申請できる期間が決まっている
・頭数制限がある
・動物病院の指定がある
といった条件があるため、事前に役所や動物愛護センターで確認しておきましょう。助成金を利用できれば、実際の自己負担額を大きく減らすことができます。
犬の去勢・避妊手術には多くのメリットがありますが、同時にデメリットやリスクも存在します。飼い主さんが冷静に判断できるよう、両面を整理して確認しておきましょう。
✅ メリット | 🔴 デメリット |
---|---|
望まぬ妊娠を防げる | 手術費用がかかる |
発情期のストレスを軽減できる | 全身麻酔のリスクがある |
子宮蓄膿症や精巣腫瘍などの病気を予防 | 太りやすくなる犬もいる |
発情期特有の行動トラブルを減らせる | 数日は安静に過ごす必要がある |
去勢・避妊手術は、将来的な病気予防やストレスの軽減といった健康面の効果が大きいのが特徴です。特にメスでは子宮蓄膿症や乳腺腫瘍のリスクが下がり、オスでは前立腺肥大や精巣腫瘍の予防につながります。
一方で、費用負担や全身麻酔のリスクは無視できません。術後は安静が必要で、犬によっては体重が増えやすくなるため、フードの量や運動量の調整が求められます。
犬の去勢・避妊手術は必ずしも受けさせなければならないものではありません。状況によっては手術を行わないという判断も考えられます。その場合にどんな場面があり、どんな工夫が必要かを整理してみましょう。
繁殖を希望している家庭や、犬が高齢で麻酔リスクが高い場合、持病を抱えていて体に大きな負担がかかると予想されるケースでは、無理に手術をしないという判断が選ばれることもあります。
その際は、定期的な健康診断や病気の早期発見を重視し、生活面での管理を丁寧に行うことが大切です。
手術をしない選択をした場合には、発情期に伴う行動や病気リスクを軽減する工夫が求められます。たとえば散歩のコースや時間を工夫して異性犬との接触を避ける、逸走防止を徹底する、マーキングやストレス行動に配慮するなどです。
家庭全体でルールを統一し、犬が安心できる環境を整えることで、健康面と生活面の両方を守ることができます。
実際に去勢・避妊手術を受けさせた飼い主さんの声は、費用や準備を考えるうえで参考になります。ここでは編集要約した3つのエピソードをご紹介します。
自治体から1万円の助成金が出て、自己負担が想定より少なく済みました。申請には期限があったため、早めに調べて申込みをしたのが正解でした。知らずに手続きを逃してしまうと、後から後悔することもあると思います。
体格が大きい犬の避妊手術では、手術費用だけでなく麻酔や術後の薬代も加算され、合計で5万円を超えました。事前に病院ごとに見積もりを比較し、金額の違いを把握できたことで準備がしやすくなりました。
基本料金だけで考えていたのですが、術前の血液検査と術後の薬代で1万円近く追加されました。病院によっては見積もりがシンプルすぎて後から金額が増えることもあるので、内訳を細かく確認しておくことが大切だと感じました。
去勢・避妊手術を検討するときは、費用や助成金の有無だけでなく、病院の方針や術後のケアまで含めて総合的に確認することが大切です。チェックリストを参考に準備を整えておきましょう。
手術費用は病院によって提示方法が異なり、基本料金だけを示しているケースもあります。実際には検査費用、麻酔代、薬代、抜糸後の再診料などが追加され、最終的な総額が想定より高くなることも少なくありません。
必ず項目ごとに内訳を確認し、総額で比較することが重要です。
自治体の助成金は申請期間や頭数制限があり、気づいたときには申請期限を過ぎていることもあります。また、ペット保険によっては去勢・避妊手術が補償対象外となる場合が多いため、加入中の保険内容を再確認しておくと安心です。
金銭的な支援の有無を早めに調べることが負担軽減につながります。
手術後にどの程度安静が必要か、入院するのか日帰りかは病院によって異なります。夜間や休日にトラブルが起きたときの連絡方法、緊急対応の体制があるかも大切な確認事項です。
さらに術後服やエリザベスカラーの準備が必要な場合もあるため、退院時に必要なケア用品の説明を事前に受けておくと慌てずに済みます。
準備抜けを防ぐために、印刷して使える観点です。
□ 総額見積もり(手術料・検査・麻酔・薬・再診・抜糸を含むか)
□ 支払い方法(カード可/分割可)・キャンセル規定
□ 助成金の有無・申請〆切・必要書類
□ 術前検査の内容と追加費用の可能性
□ 麻酔リスクの説明と緊急対応体制(夜間対応の有無)
□ 当日の持ち物(ケージ、術後ウェアやカラーの手配)
□ 入院の要否と面会可否、連絡手段(電話・LINEなど)
□ 術後ケアの指示(投薬、運動制限、再診スケジュール)
□ ペット保険の補償対象かどうか
□ 予算の上限設定と、見積もりの病院間比較
こうしたチェックを事前に行えば、後悔のない選択につながります。
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去勢と避妊ではどちらの方が費用が高いですか?
一般的に避妊手術の方が体への負担が大きく、摘出範囲も広いため費用は高くなる傾向があります。去勢は15,000〜30,000円前後ですが、避妊は25,000〜50,000円程度かかるケースが多いです。
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手術費用は分割払いやクレジットカードで支払えますか?
多くの動物病院では現金払いが基本ですが、クレジットカードや分割払いに対応しているところもあります。高額になる場合は事前に支払い方法を確認し、無理のない形で準備しておくと安心です。
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助成金は誰でも受けられるのでしょうか?
助成金は自治体によって条件が異なり、住民登録や犬の登録が済んでいること、頭数制限があることが多いです。早期に受付が終了する場合もあるため、役所や愛護センターに早めに問い合わせるのがおすすめです。
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費用に含まれない追加料金にはどんなものがありますか?
術前の血液検査、麻酔、術後の薬、エリザベスカラーや術後服などが別料金になることがあります。病院によって含まれる範囲が違うため、内訳を必ず確認してから決めるようにしましょう。
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ペット保険で去勢・避妊手術は補償されますか?
多くのペット保険では去勢・避妊手術は予防目的とされ、基本的に補償対象外です。ただし一部の保険やオプションでは補償がある場合もあるため、契約内容を確認してから判断すると安心です。
犬の去勢・避妊手術は、オスで15,000〜30,000円、メスで25,000〜50,000円程度が目安です。自治体の助成金を活用すれば負担を抑えることができ、費用面での不安も軽減できます。
メリットには病気予防や生活の安定がありますが、麻酔リスクや太りやすさなどのデメリットも理解しておく必要があります。必ずしも手術が正解というわけではなく、年齢や健康状態に応じて「行わない選択」も合理的です。
事前に見積もりを細かく確認し、助成制度やケア体制を調べておくことで、納得感のある判断ができるでしょう。術後は体重管理のためにフード内容の見直しも大切になるため、食事面での準備も忘れずに進めてください。