
夜中に突然吠える愛犬を見るのは、とてもつらいものです。特に高齢犬では、認知症や不安、体の変化などさまざまな理由が絡んでいることがあります。
「叱る前に、原因を知ってあげたい」と思う飼い主さんへ──
夜鳴きの主な原因と、家庭で取り入れやすい対策を一般的な獣医学の情報も参考にしながら、飼い主目線で整理しました。愛犬と飼い主さんが少しでも安心して夜を過ごせるよう、できることから一つずつ確認していきましょう。
老犬の夜鳴きには、体調・心の変化・環境など複数の要素が絡み合っています。代表的な原因を理解しておくと、感情的に叱らず、正しい対処法を考える手がかりになります。
老犬は加齢により認知機能が低下し、昼夜や場所の感覚を見失うことがあります。こうした混乱や不安が夜間の吠えにつながるケースは多く、飼い主を呼ぶために声を上げることもあります。
環境を安定させ、柔らかな声かけやほのかな灯りを残すなど、犬が安心できる工夫を加えることで、夜鳴きが落ち着くことがあります。
家族の不在や引っ越し、家具の配置換えなどは老犬に大きなストレスを与えます。特に夜は周囲が静まり返るため、不安感が増幅して鳴き声が目立つようになります。
日中のスキンシップや遊びを増やし、安心できる匂いのついたタオルを寝床に置くなどの工夫は、老犬の心を落ち着けるのに役立ちます。また、慣れた環境を大きく変えないよう意識することも効果的です。
老犬が夜中に鳴く理由として、体に生じた痛みや違和感を訴えているケースは少なくありません。年齢を重ねるにつれて、外からは気づきにくいちょっとした不調が増えてくるためです。
夜の鳴き声が急に増えたり、いつもと違う様子が見られたりする場合は、愛犬からの重要なサインと受け止めましょう。単なる老化現象や癖だと自己判断せず、まずはかかりつけの獣医師に相談し、適切なケアや過ごしやすい環境づくりを進めることが大切です。
日中に寝過ぎて夜に覚醒してしまう「昼夜逆転」は、高齢犬でよく見られる現象です。日中の散歩や軽い運動、知育おもちゃを取り入れて体を適度に疲れさせることで、夜の深い眠りを促しやすくなります。
生活リズムを整えるために、昼間の活動時間を少しずつ増やし、食事や就寝のタイミングを安定させることも、夜鳴きを減らす一助となります。
老犬が夜中に吠えるときは、安心して過ごせる環境を整え、昼間の活動量や生活リズムを見直すことが大切です。急に夜吠えるようになった場合は体調の変化にも注意しながら、愛犬の様子に合わせてできる対策から取り入れていきましょう。

夜間の部屋が暗すぎたり寒すぎたりすると、老犬は強い不安を感じやすくなります。温度を適切に保ち、ほんのり灯りを残すことで安心感を与えられます。
さらに、柔らかく清潔な寝床を用意し、飼い主の匂いがついたタオルやブランケットをそばに置くと、孤独感を和らげて落ち着いて眠れる子が多いです。
こうした小さな工夫で夜鳴きが軽減する場合があります。
刺激の少ない一日を過ごすと、老犬は昼夜逆転しやすくなります。短時間の散歩を数回に分けたり、知育おもちゃや軽い遊びを取り入れて、無理のない範囲で体を動かすことが効果的です。
日光を浴びることで体内時計が整い、夜間の不安行動を抑えやすくなります。飼い主と触れ合う時間を増やし、日中に適度な疲れを感じさせることが、夜間の熟睡と鳴き声の減少につながります。
老犬が夜中に落ち着かないときは、寝床や生活リズムだけでなく、食事の時間や食欲にも変化がないか確認してみましょう。空腹で目を覚ましていたり、反対に食後の体調がいつもと違ったりする場合もあるため、普段の様子と比べて観察することが大切です。
ただし、食事を変えれば夜鳴きが改善するとは限りません。急に食欲が落ちた、食べ方が変わった、夜中に何度も起きるなど気になる変化がある場合は、自己判断でフードやサプリメントを変更するよりも、かかりつけの獣医師へ相談すると安心です。
シニア期の年齢や体調に合ったフード選びについては、別の記事で詳しく紹介しています。
シニア期は、年齢や体調に合った食事を選ぶことも健康管理の一つです。フード選びで迷ったときは、下記の記事も参考にしてください。
➡ シニア犬におすすめのドッグフード|寿命・体重管理・市販フードも解説
環境改善や食事の工夫をしても夜鳴きが長く続くときは、かかりつけの獣医師に相談することが大切です。痛みや持病など隠れた健康問題が原因である可能性もあります。
診察によって体調を確認し、必要に応じてサプリメントや軽い安定剤などの選択肢を示してもらえます。獣医と協力して原因を特定することで、飼い主の負担も減り、愛犬も安心して過ごせる環境を整えやすくなります。
夜に落ち着かせる目的でおやつを使う場合は、与えすぎによる体重増加に注意が必要です。シニア犬に合ったおやつの目安量と選び方は、こちらで詳しくまとめています。
➡ 太りやすい老犬のおやつ選びと回数の目安
実際に夜鳴きに悩んだ飼い主さんの体験談です。個々のケースで改善方法は異なりますが、同じ悩みを抱える方のヒントになるかもしれません。
※以下は個人の体験談であり、すべての犬に当てはまるわけではありません。

柴犬10歳の飼い主
10歳になる老犬がいますが、なぜか朝4時ごろ急に鳴くようになりました。原因がわからず「静かにしなさい」と注意するだけでしたが、朝の散歩をやめ夕方の散歩に時間をかけるようにしたら早朝吠えが一切なくなりました。理由はいまだにわかりませんが、家族全員ほっとしています。

ラブラドール14歳の飼い主
うちは、今まで散歩担当だった夫が単身赴任してから吠えるようになりました。今までと散歩の時間や回数は変えてないので、多分私は役不足なのでしょう(泣)友人のアドバイスで、夜寝る前におしっこさせるようにすると朝5時吠えが7時吠えに改善しました。根本的な解決になっていませんが、以前より楽になりました。

雑種13歳の飼い主
今年に入ってから愛犬の夜鳴きがひどくなり、早朝3時過ぎに散歩してあげることも。私も仕事がありきついのでいろいろ調べるとラジオが効果的と書いてあったので昼間3時間おきにタイマーを使い試したら無駄吠えがなくなりました。費用もほとんどかからないのでおすすめです。

シーズー15歳の飼い主
今まで鳴かなかった時間帯に吠えるようになったので、認知症を疑い病院で診てもらいました。幸い認知症ではなかったのですが、その他の病気も見つからず原因は不明。散歩の時間を短くし回数を増やし、食事も4~5回に分けたら吠えることが少なくなりました。飼い主の負担は増えますが、残り短い時間を大切に過ごしたいと思っています。
老犬が深夜に吠えるのは、認知症、痛み、感覚の衰え、トイレ問題、不安、空腹、外部刺激など、さまざまな原因が考えられます。愛犬の行動をよく観察し、その背景にあるニーズを理解することで、適切な対処が可能です。
老犬との暮らしは大変な面もありますが、彼らが快適に過ごせるようサポートしてあげれば、穏やかな夜を取り戻せるはずです。もし悩みが深い場合は、迷わず獣医師や行動の専門家に相談してみてくださいね。
夜鳴きが長引く場合、単なる習慣やわがままと決めつけず、体や心の不調を疑うことが大切です。改善が見られないときは、以下の点を確認してみましょう。
夜鳴きの原因には、関節炎、内臓の不調、心臓病など、目に見えにくい病気が潜んでいることがあります。特に老犬は痛みを隠す傾向があり、吠えることで不快感を伝えている可能性があります。
早めに獣医師の診察を受け、健康チェックを行うことが安心につながります。
受診の判断に迷うときは、体調サインだけでなく、寝床やトイレ環境など日常の負担も一緒に見直すと原因に気づきやすくなります。シニア期の暮らしの工夫は、こちらでまとめています。
➡ シニア犬の生活ケア完全ガイド|高齢犬が快適に暮らすための工夫
加齢による認知機能の低下や不安の増大も、夜鳴きを長引かせる要因です。生活リズムを整え、安心できる環境を維持しながら、必要に応じてサプリメントや薬について獣医師と相談しましょう。
家庭だけで抱え込まず、専門家のアドバイスを取り入れることで、愛犬も飼い主も負担を減らせます。
老犬の夜鳴きは、加齢だけでなくホルモンや気質の変化が影響している場合もあります。避妊・去勢後に「落ち着きがなくなった」「元気がない」などの変化が見られるときは、こちらの記事も参考になります。
➡ 避妊・去勢後の犬に見られる性格の変化とそのサイン
老犬が夜中に吠えるようになると、「認知症なの?」「無視しても大丈夫?」など、対応に迷うことも多いでしょう。夜鳴きや無駄吠えについて、飼い主さんが気になりやすい疑問をまとめました。
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夜中に吠えるのは認知症のサインですか?
老犬が夜間に突然吠え出すのは、認知症の初期症状である可能性があります。ただし、認知症以外にも不安、トイレの問題、環境の変化などが原因となることもあるため、早めに獣医師の診断を受けましょう。
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老犬の夜鳴きの対処法は?すぐにできる改善策はありますか?
昼間に光を浴びて体内時計を整えたり、夜間のトイレや食事の調整をすることで改善することがあります。認知症の可能性がある場合は、病院での診断と適切なケアが必要です。
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無駄吠えがひどい場合、薬を使うべきですか?
薬を使うかどうかは原因によって異なります。認知症や病気による吠えには獣医師が処方する薬が有効な場合もありますが、ストレスや不安が原因なら環境改善や生活リズムの見直しが優先されます。まずは獣医師に相談しましょう。
(タップで回答)
老犬の夜泣きを無視しても大丈夫ですか?
老犬の夜泣きは、単なる癖だけでなく、不安や生活リズムの乱れ、体調の変化などが関係している場合があります。そのため、無視するだけで済ませず、吠える時間帯や愛犬の様子を観察して原因を探ることが大切です。急に夜泣きが始まった場合や体調にも変化がある場合は、獣医師へ相談しましょう。
老犬が夜中に吠える原因には、認知機能の変化や不安、体調不良、生活リズムの乱れなど、さまざまなものが考えられます。まずは叱るのではなく、いつから・どのような状況で吠えるようになったのかを観察し、原因を探ることが大切です。
寝床や室温を整える、昼間の活動時間を増やす、トイレや食事の時間を確認するなど、愛犬に負担をかけない範囲から少しずつ試してみましょう。急に夜吠えるようになった場合や、食欲・元気などにも変化が見られる場合は、早めに獣医師へ相談すると安心です。
老犬の夜鳴きはすぐに改善するとは限りません。愛犬の年齢や体調に合わせながら、無理なく続けられる方法を探していくことが、犬と飼い主さんの穏やかな生活につながります。
また、シニア期の健康管理では年齢や体調に合った食事を選ぶことも大切です。フード選びについて詳しく知りたい方は、シニア犬向けの記事も参考にしてください。
シニア犬の年齢や体調に合ったフードの選び方やおすすめ商品は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
👉 シニア犬におすすめのドッグフード4選

こんにちは、愛犬ごはんノート編集部 minamiです。現在は柴犬のムギ(9歳)とザネ(7歳)と暮らしています。
ムギは子犬の頃から皮膚が弱く敏感肌で、ザネは内臓が少し繊細。日々の食事が体調に大きく影響するので、これまで20種類以上のドッグフードを試してきました。
成分や原材料について調べるのが趣味のようになり、自分なりに学んだことや、実際に愛犬に与えてきたフードの体験談をこのサイトでご紹介しています。
愛犬の健康に不安がある方や、どのフードを選べばいいか悩んでいる方にとって、少しでもヒントになればうれしいです。
運営者名:愛犬ごはんノート編集部 minami
愛犬の食事管理歴15年以上、20種以上のフード比較経験。
参照・取材方針:公的機関・学術資料を一次情報として優先し、体験談とは区別して解説します。
本記事は一般的情報であり、診断・治療の代替ではありません。医療判断は獣医師へ。