老犬が突然吠えるようになった…夜鳴きの原因と対策

愛犬ごはんノート編集部
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老犬が夜中や早朝に吠え続ける悩み | 原因と対策

「今まで大人しかったのに、急に夜中に吠えるようになった…」そんな老犬の変化に戸惑う飼い主さんは少なくありません。加齢による変化のほか、認知症や環境ストレスなどが原因のことも。

 

本記事では、夜鳴きの主な理由と対策方法をわかりやすく解説します。

 


老犬が夜中に吠える主な原因とは

夜間に突然吠えるようになった老犬には、いくつかの共通した原因が考えられます。まずは行動の背景を正しく理解し、思い当たる要因がないか確認してみましょう。

 

甘えや不安感からくる夜鳴き

 

老犬は年齢とともに感覚が鈍くなり、視力や聴力の衰えから不安を感じやすくなります。

 

特に夜間は暗く静かなため、飼い主がそばにいないことに強い寂しさや不安を覚え、「そばにいてほしい」という気持ちから吠えることがあります。これは一時的な感情反応ではなく、老化にともなう心理的な変化のひとつです。

 

トイレの要求(頻尿・排泄トラブル)

 

加齢により膀胱の機能が低下すると、夜間に排尿したくなることが増えてきます。特に、散歩中しか排泄できない習慣がある犬は、外に出たいという意思表示として吠えてしまうことがあります。

 

夜間の頻尿は生理的なものなので、叱るのではなく、室内でも排泄できるよう環境を整えることが大切です

 

生活リズムや体内時計の乱れ

 

日中にほとんど運動せず寝てばかりいる生活を続けていると、夜の眠りが浅くなり、夜中に目が覚めて活動しようとすることがあります。

 

このような生活リズムのズレは、老犬にとっては自然なことですが、夜間の吠えにつながる原因のひとつです。日中の活動量や刺激を意識的に増やすことで改善が期待できます

 

外の光や音に過敏になっている

 

夜が明け始めると、カーテンの隙間から入る光や、外の生活音などに敏感に反応する犬もいます。

 

老犬になると外部刺激に対する反応が鈍くなると思われがちですが、逆にコントロールが難しくなり、過敏な反応を示すことがあります。夜明け前の光や音を遮ることで、不要な興奮を防ぐ効果が期待できます

 

環境の変化がストレスに

 

住まいや家具の配置が変わった、同居人が増えた・減った、新しいペットが加わったなど、些細な環境変化が老犬にとっては大きなストレスになることがあります。

 

特に高齢になると順応性が低下し、日常の変化に対して不安を感じやすくなります。こうしたストレスが夜間の落ち着かなさや吠えの原因になることも少なくありません。

 

認知症や体の異変が原因に

 

老犬が夜中に意味もなく吠える、部屋の中をウロウロする、昼夜の区別がつかなくなるなどの行動が見られた場合、犬の認知症(認知機能不全症候群)の可能性があります。

 

また、関節の痛みや内臓の不調など、体の異変を訴える手段として吠えていることもあります。症状に気づいたら早めに獣医師に相談しましょう。

 

なお、咳のような吠え方が見られる場合は、心臓疾患の可能性も考えられます。とくに僧帽弁閉鎖不全症などは老犬に多く、詳しくは「犬の僧帽弁閉鎖不全症とは?」をご覧ください。

夜鳴きをやめさせる具体的な対策

老犬の夜鳴きをやめさせるためには、吠える理由に応じた対策をとることが大切です。すぐに静かになるわけではなくても、飼い主の工夫や環境の見直しによって、少しずつ落ち着いて眠れるようになることがあります。

 

実践しやすい対処法をいくつか紹介します。

 

同じ部屋で寝る・声かけを活用

 

老犬が夜に不安や寂しさを感じて吠える場合、飼い主の存在を感じられるように「同じ部屋で寝る」「目覚めたときに声をかける」といった方法が有効です。安心感を得ることで、不安からくる吠えが減るケースがあります。

 

ただし、吠えたときに毎回対応すると学習してしまう場合もあるため、状況に応じたバランスが重要です。

 

室内でトイレができるよう再習慣化

 

散歩時しか排泄しない犬は、夜中に外へ行きたがって吠えることがあります。これを改善するには、室内トイレに慣れさせる練習が必要です。

 

たとえば、屋内で排泄したときに大げさに褒めたり、掛け声を使ってタイミングを覚えさせたりすると効果的です。老犬であっても根気強く続ければ、新しい習慣を身につけられることがあります。

 

昼の散歩や活動量を増やす工夫

 

日中の運動不足や刺激の少なさは、夜の寝つきを悪くし、夜鳴きにつながることがあります。対策としては、昼の散歩を少し長くしたり、ゆったりしたペースでのんびり歩いたりするだけでも効果があります

 

また、簡単な遊びや家族とのスキンシップも良い刺激になります。昼間に適度な疲れを感じることで、夜はぐっすり眠れるようになります。

 

暗さ・静けさで安心できる環境づくり

 

夜明け前のわずかな光や外の音に反応して吠える場合は、周囲の刺激を減らすことが有効です。犬の寝床に遮光カーテンをつけたり、ケージに毛布をかけて暗く保ったりすると、安心して眠れるようになります。

 

また、生活音が届きにくい静かな部屋に移動させるのも効果的です。睡眠環境の整備は、夜鳴きを減らすための基本的な対策のひとつです。

 

脳機能ケアに配慮したフードやサプリの活用

 

夜鳴きの原因が認知症や脳の老化にある場合は、食事内容の見直しも重要です。オメガ3脂肪酸や抗酸化成分、ビタミンB群などが含まれたシニア向けのフードは、脳の健康維持をサポートする働きがあります

 

また、認知機能を助ける成分を含んだサプリメントを併用することで、落ち着きやすくなったという声もあります。獣医師と相談しながら取り入れてみましょう。

 

シニア向けのドッグフードには、脳の健康維持をサポートする栄養素が含まれているものもあります。フード選びのポイントについては「シニア犬におすすめのドッグフード」で詳しく解説しています。

体験談から学ぶ改善のヒント【口コミ】

飼い主さんのちょっとした工夫で早朝吠えがなくなったというエピソードがあるのでご紹介します。特に病気がなく吠える原因がわからない場合に参考になると思います。

 

柴犬10歳の飼い主

柴犬10歳の飼い主

 

10歳になる老犬がいますが、なぜか朝4時ごろ急に鳴くようになりました。原因がわからず「静かにしなさい」と注意するだけでしたが、朝の散歩をやめ夕方の散歩に時間をかけるようにしたら早朝吠えが一切なくなりました。理由はいまだにわかりませんが、家族全員ほっとしています。

 

ラブラドール14歳の飼い主

ラブラドール14歳の飼い主

 

うちは、今まで散歩担当だった夫が単身赴任してから吠えるようになりました。今までと散歩の時間や回数は変えてないので、多分私は役不足なのでしょう(泣)友人のアドバイスで、夜寝る前におしっこさせるようにすると朝5時吠えが7時吠えに改善しました。根本的な解決になっていませんが、以前より楽になりました。

 

雑種13歳の飼い主

雑種13歳の飼い主

 

今年に入ってから愛犬の夜鳴きがひどくなり、早朝3時過ぎに散歩してあげることも。私も仕事がありきついのでいろいろ調べるとラジオが効果的と書いてあったので昼間3時間おきにタイマーを使い試したら無駄吠えがなくなりました。費用もほとんどかからないのでおすすめです。

 

シーズー15歳の飼い主

シーズー15歳の飼い主

 

今まで鳴かなかった時間帯に吠えるのようになったので、認知症を疑い病院で診てもらいました。幸い認知症ではなかったのですが、その他の病気も見つからず原因は不明。散歩の時間を短くし回数を増やし、食事も4~5回に分けたら吠えることが少なくなりました。飼い主の負担は増えますが、残り短い時間を大切に過ごしたいと思っています。

 

老犬が深夜に吠えるのは、認知症、痛み、感覚の衰え、トイレ問題、不安、空腹、外部刺激など、さまざまな原因が考えられます。愛犬の行動をよく観察し、その背景にあるニーズを理解することで、適切な対処が可能です。

 

老犬との暮らしは大変な面もありますが、彼らが快適に過ごせるようサポートしてあげれば、穏やかな夜を取り戻せるはずです。もし悩みが深い場合は、迷わず獣医師や行動の専門家に相談してみてくださいね。

夜間の無駄吠えに関するよくある質問


(タップで回答)
夜中に吠えるのは認知症のサインですか?

老犬が夜間に突然吠え出すのは、認知症の初期症状である可能性があります。ただし、認知症以外にも不安、トイレの問題、環境の変化などが原因となることもあるため、早めに獣医師の診断を受けましょう。

 


(タップで回答)
老犬の夜鳴きにはどんな対策が有効ですか?

昼間に光を浴びて体内時計を整えたり、夜間のトイレや食事の調整をすることで改善することがあります。認知症の可能性がある場合は、病院での診断と適切なケアが必要です。

 


(タップで回答)
無駄吠えがひどい場合、薬を使うべきですか?

薬を使うかどうかは原因によって異なります。認知症や病気による吠えには獣医師が処方する薬が有効な場合もありますが、ストレスや不安が原因なら環境改善や生活リズムの見直しが優先されます。まずは獣医師に相談しましょう。

老犬の夜鳴きは原因を知って適切に対応を

老犬が夜中や早朝に吠えるのは、加齢による心身の変化や生活環境の影響など、さまざまな原因が関係しています。本文では、甘えや不安、頻尿、認知症、体内時計の乱れなど、多角的な視点から対策方法を紹介しました。

 

深夜吠えは飼い主の負担が大きい問題ですが、適切な工夫や環境調整で改善が見込めるケースも多くあります。

 

まずは吠えている理由をしっかり観察し、必要に応じて専門家に相談することが大切です。老犬との時間をより穏やかに過ごせるよう、一歩ずつ無理なく対策を進めていきましょう。

 

吠えの背景には食事の栄養バランスや加齢による代謝の変化も関係している場合があります。シニア期の健康を支えるフードを選ぶことで、夜間の落ち着きや認知機能の維持にもつながることがあります。