犬がごはんを食べないのはなぜ?考えられる原因と効果的な対処法

犬がごはんを食べない理由と対処法|食欲不振の原因と解決策

「うちの子、急にごはんを食べなくなった……」「好物だったフードなのに見向きもしない」

 

そんな愛犬の変化に、不安や戸惑いを感じていませんか?犬の食欲不振にはさまざまな原因があり、場合によっては健康状態のサインであることも。

 

この記事では、犬がごはんを食べないときに考えられる原因と、すぐに試せる対処法についてやさしく解説します。

 


犬がごはんを食べないときの基本チェック

「いつもは食べるのに、今日だけなぜか食べない」そんなとき、飼い主さんとしてまずチェックしたいのが体調の変化です。食欲の低下は、病気や不調のサインかもしれません。

 

元気がなくぐったりしている、嘔吐や下痢がある、ふらついている、口臭が強い……などの異常が見られる場合は、すぐに動物病院へ。とくに子犬やシニア犬は体力が落ちやすいため、早めの受診が安心です。

 

一方で、体調には問題がなく元気そうにしている場合には、自宅でできるちょっとした工夫で食欲が戻ることもあります。次の章では、実際に試せる具体的な対策を紹介していきます。

犬がごはんを食べない主な原因とは

犬の食欲が落ちている理由は、1つとは限りません。

 

体の変化、環境の影響、フードの選び方……さまざまな要素が複雑に絡んでいることもあります。ここでは、よく見られる5つの原因をピックアップして、対処法とともに解説します。

 

ドッグフードの粒が大きくて食べづらい(特に小型犬)

 

特に小型犬やシニア犬では、粒の大きさが合わないだけでフードを避けてしまうことがあります。大きすぎると噛みづらく、喉に詰まらせそうで怖いと感じる犬もいます。

 

これが原因で食欲が落ちているなら、小粒タイプのフードに変える、やわらかくふやかす、砕いてあげるといった方法が効果的です。食べることに苦痛がなくなれば、自然と食欲も戻るはずです。

 

味の好みではない・フードに飽きた

 

毎日同じ味では、犬も飽きてしまうことがあります。特に嗜好性の低いフードを与えている場合、徐々に興味を失っていく可能性も。

 

主原料を変えたり(例:チキン→サーモン)、香りの強い素材を使ったものにすることで、再び食べてくれるようになることがあります。急な切り替えは下痢の原因になるので、1週間ほどかけて徐々に新しいフードに慣らしていくのが理想です

 

嗅覚の衰え(老犬に多い)

 

年齢とともに犬の五感も衰え、とくに嗅覚の低下は食欲に大きく影響します。ごはんに気づかなかったり、以前のような「いいにおい」を感じにくくなるため、食べないことが増えてきます。

 

こういった場合には、香りが立ちやすいように温める、香りの強いトッピングを少し足すなどの工夫が効果的です。また、シニア犬向けの消化にやさしいフードに切り替えることも検討しましょう。

 

おやつや人の食べ物の与えすぎ

 

「ドッグフードは食べないけどおやつは食べる」場合、主食の味が物足りなくなっている可能性が高いです。飼い主がつい甘やかしてしまうことで、ドッグフードより味の濃いおやつばかりを好むようになってしまいます。

 

食べないと心配になりますが、ここは我慢のしどころ。1~2日程度であれば栄養的な問題はないため、主食のみを出して“フードの味を思い出してもらう”のが効果的です。

 

わがままで食べない

 

わがままによる拒食は、特に甘えん坊の犬に見られがちです。「もっとおいしいものが出てくるかも」と期待して、あえて食べないこともあります。このようなときは、しばらくそのまま放置し、食べなければ片づけてしまうのがコツ。

 

しばらく空腹を経験することで、再びドッグフードを食べ始めるケースも多く見られます。甘えに応えてしまうとクセになってしまうため、毅然とした対応を心がけましょう。

食べさせるためにできる具体的な工夫

体調に異常はないのに、なぜかごはんを食べてくれない……そんなときは、環境やフードの与え方を少し変えるだけで改善することもあります。ここでは飼い主さんがすぐにできる対策を5つご紹介します。

 

フードを砕く・ふやかす

 

粒の大きさや硬さが食欲を左右することがあります。小型犬やシニア犬は、硬くて大きな粒を食べづらいと感じてしまうことも。

 

そんなときは、スプーンなどで軽く砕いたり、ぬるま湯でふやかしてやわらかくしてあげると、ぐっと食べやすくなります。消化にもやさしく、特に食が細い子には効果的です。

 

フードを温めて香りを立たせる

 

犬は嗅覚で食べ物を判断しています。食欲が落ちているときや、嗅覚が衰えているシニア犬には、香りが立ちにくい常温フードだと魅力を感じないことも。

 

電子レンジなどで人肌程度(40℃前後)に温めて香りを強めると、「食べてみようかな」という気持ちになってくれる可能性があります。

 

フードのトッピングを変えてみる

 

トッピングを少し加えるだけで、普段のごはんが「特別なごちそう」に変わります。無添加のふりかけや、ゆでたささみ、かぼちゃのマッシュなどを少量加えると嗜好性が高まり、食いつきが良くなることもあります。

 

ただし、トッピングの与えすぎは主食の栄養バランスを崩す可能性もあるので、あくまで補助的に使いましょう。

 

 

一時的に猫缶を利用する

 

「どうしても食べてくれない」ときの最終手段として、一時的に猫の缶詰(猫缶)を使う方法もあります。猫缶は塩分や香りが強く、嗜好性が非常に高いため、食欲が落ちている犬でも食べてくれることがあります。

 

動物病院でも、入院中や食欲不振時の一時的な栄養補助として猫缶を使用することがあります。ただし、長期間の使用は栄養バランスが崩れるため、あくまで一時的な対応にとどめましょう。

 

与え方を工夫する(時間や環境)

 

ごはんを与える時間帯や場所の雰囲気も、犬の食欲に影響します。テレビの音がうるさい、周囲に落ち着かない気配があるなどで食べないことも。

 

落ち着いた静かな環境で、毎日同じ時間に与えることで、犬も「今は食事の時間」と認識しやすくなります。環境の見直しは意外と盲点なので、まずは静かな場所を確保することから試してみてください。

どうしても食べないときは動物病院へ

食欲不振が数日続く、あるいは水分も摂らずぐったりしている場合には、迷わず動物病院に相談してください。特に高齢犬や持病のある犬では、体調悪化のサインであることもあります。

 

早めに診察を受けることで、病気の早期発見にもつながります。自己判断せず、愛犬の命を守る選択を心がけましょう。

まとめ:愛犬の変化を見逃さず、無理せず対応を

犬がごはんを食べない理由には、環境の変化やストレス、加齢や体調不良など、さまざまな要因が考えられます。大切なのは、焦らずにひとつひとつ原因を探りながら、愛犬に合った対応をしていくことです。

 

すぐに改善しなくても、根気よく見守ることが大切です。工夫をしても改善が見られない場合には、早めに獣医師の診察を受けてください。愛犬がまたおいしくごはんを食べられるよう、飼い主としてできるサポートを続けていきましょう。