
最近よく耳にする「グレインフリー(穀物不使用)ドッグフード」は、皮膚トラブルやお腹の調子が気になる犬の選択肢として注目されています。ただし、どれを選んでも同じではなく、原材料や栄養バランスによって合う・合わないが分かれます。
この記事ではメリットだけでなく注意点も整理しながら、市販で買える商品も含めて、選び方とおすすめを紹介します。

グレインフリーは近年よく見かける言葉ですが、意味を誤解したまま選ぶと「思った効果がない」「合わなかった」となりやすいです。まずは定義と注目される背景を整理し、愛犬に合うか判断できる土台を作ります。
グレインフリーとは、主原料に小麦・とうもろこし・米などの穀物を使わないドッグフードを指します。ただし「炭水化物なし」という意味ではなく、代わりに豆類やいも類が使われることもあります。
原材料欄で最初に並ぶ食材と、たんぱく源の質を確認するのがコツです。アレルギー配慮目的でも、まず定義を押さえると迷いが減ります。
穀物が体質に合いにくい犬では、便がゆるくなったり、皮膚や被毛の調子が気になったりして食事を見直すケースがあります。その選択肢としてグレインフリーが注目されていますが、すべての犬に必ず合うわけではありません。
年齢、運動量、体重管理の必要性を踏まえ、目的に合う栄養設計かを確認して選ぶことが安心につながります。

グレインフリーは、合う犬にとっては食事の選択肢を広げてくれます。ただし良い面だけで判断すると失敗しやすいため、メリットと注意点をセットで理解してから選ぶのが安心です。
穀物が体質に合いにくい犬の場合、食事を変えることでお腹の調子や便の状態が落ち着くことがあります。グレインフリーは穀物を使わない分、たんぱく源や脂質の設計が分かりやすく、原材料の確認もしやすい傾向です。
また、穀物以外の食材構成に変わることで、食事管理の選択肢が増え、目的に合わせてフードを絞り込みやすくなる点もメリットです。
グレインフリーは穀物の代わりに豆類やいも類を使うことがあり、犬によっては相性が分かれます。特に豆類の配合が多い設計では、体質によって便がゆるくなるなど変化が出ることもあるため、原材料と愛犬の様子を見ながらの判断が必要です。
また、食事と心臓の健康に関する話題(DCMなど)は情報が更新されることがあり、現時点で一律に断定できるものではありません。
不安がある場合は豆類の特徴も理解したうえで、配合の意図を確認するのがおすすめです。詳しくは「えんどう豆(ピープロテイン)」の解説ページも参考になります。

市販のグレインフリーフードは手に取りやすい反面、商品ごとの中身の差が大きいのが正直なところです。値段や「グレインフリー」の言葉だけで決めず、いくつかの見方を押さえると、愛犬に合うものを選びやすくなります。
市販品は流通量が多く、続けやすい価格帯の商品が見つかりやすいのがメリットです。一方で、原材料の表記や設計は商品ごとに違うため、「何を主原料にしているか」を最初に確認すると安心です。
たんぱく源が肉や魚のどれなのか、油脂の種類は何か、そして穀物の代わりに豆類やいも類がどれくらい使われているかを見ると、フードの方向性が見えてきます。
迷ったときは、無添加・高品質寄りのプレミアムフードを厳選したおすすめ記事もあわせて見ると、候補を広げやすくなります。
「できれば安いものを続けたい」という気持ちは、とても自然なことです。ただ、安さだけで決めると、たんぱく質の質や脂質の量が愛犬に合わず、便がゆるくなったり、体重管理が難しくなったりすることがあります。
コスパ重視で選ぶ場合は、原材料の最初に何が来ているか、成分値のバランス、そして食後の様子を見ながら少しずつ切り替えるのがおすすめです。
もしお腹が敏感で不安がある場合は、消化に配慮したフードの考え方をまとめたページも参考になります。
👉 消化しやすいドッグフード5選|市販・低脂肪タイプも紹介【軟便・下痢対策】
グレインフリーは「穀物が入っていない」という一点だけで良し悪しが決まるわけではありません。原材料の並びや成分バランスを少し意識するだけで、広告っぽい印象に流されにくくなり、愛犬に合う候補を落ち着いて絞り込めます。
まずは原材料欄の先頭に書かれている食材を見て、主なたんぱく源が何かを確認します。魚(サーモンなど)は脂質の質を重視したいときに候補になり、ラムやチキンは嗜好性の高さや続けやすさで選ばれることもあります。
ただし同じ食材名でも配合割合や加工方法で印象が変わるため、「肉や魚が最初に来ているか」「不明瞭な表記が多くないか」まで確認すると安心です。
子犬(パピー)は成長に必要な栄養が不足しないか、シニアは体重管理と消化のしやすさを意識すると選びやすいです。
体重が増えやすい子には低カロリー寄りでも満足感が得られる設計を、運動量が多い子には高たんぱくでも脂質が過剰にならない設計を目安にすると安心です。
また、穀物の代わりに別の食材が増える設計もあるため、切り替え後は便や皮膚の様子を見ながら、少しずつ調整していくのが失敗を減らすコツです。
ここでは、これまで解説してきた選び方をもとに、目的別で選びやすいグレインフリードッグフードを紹介します。
グレインフリーは「穀物不使用」という共通点があっても、原材料や栄養設計、続けやすさは商品ごとに大きく異なります。愛犬の体質やライフスタイルを思い浮かべながら、「これなら続けられそう」と感じる視点で見ていただければ幸いです。
総合評価では、原材料の内容、たんぱく源の質、成分バランス、続けやすさを総合的に見て判断します。グレインフリーという特徴だけでなく、主原料が明確で、過度に偏った設計になっていないかが大切です。
嗜好性が高くても脂質が多すぎると体重管理が難しくなることがあるため、日常的に与えやすいバランスかどうかも評価ポイントになります。まずはこの枠からチェックすると、失敗しにくい選択につながります。

モグワンは、グレインフリーの中でも原材料と栄養バランスの整い方が評価されやすいフードです。主原料に動物性たんぱく源を使用し、穀物を使わずに設計されているため、食事内容をシンプルに管理したい飼い主さんにも向いています。
脂質とたんぱく質のバランスが極端に偏っていない点も、日常的に続けやすい理由のひとつです。小型犬から中型犬まで幅広く対応しやすく、「まず候補に入れて比較したい」総合的な選択肢として検討しやすいフードと言えます。
皮膚や被毛のコンディション、涙やけの原因にもなる不要な添加物をできるだけ避けたい飼い主さんにも選ばれています。

カナガンは、動物性たんぱく質をしっかり確保しながら、穀物を使わずに設計されているグレインフリードッグフードです。主原料が明確で、食事内容をシンプルに管理したい場合にも検討しやすいのが特徴です。
たんぱく質量はやや高めですが、活動量がある犬や食いつきを重視したい犬には向きやすい設計といえます。フードの内容を重視しつつ、グレインフリーらしさを分かりやすく取り入れたい飼い主さんに選ばれやすいフードです。
市販で購入できるグレインフリーフードは、手に取りやすさと続けやすさが魅力です。価格帯が比較的安定している反面、商品ごとに設計の考え方に差があるため、原材料の並びや成分値を確認することが欠かせません。
通販限定品と比べて選択肢は限られますが、「急にフードが必要になった」「継続しやすさを重視したい」といった場合には、現実的な選択肢になります。

アカナ アダルトスモールブリードは、グレインフリー設計でありながら、市販でも比較的手に取りやすい点が特徴のドッグフードです。動物性たんぱく源を中心に構成されており、小型犬でも食べやすい粒サイズに配慮されています。
栄養バランスは活動量が極端に少ない犬向けというより、日常的にしっかり動く小型犬に合わせやすい設計です。通販限定フードに抵抗がある場合や、店頭で購入できる選択肢を重視したい飼い主さんにも検討しやすいフードといえます。

ナチュラハ(NaturaHa)のグレインフリードッグフードは、穀物を使用せずに設計されたフードで、比較的入手しやすい点が魅力です。原産国はアメリカで、動物性たんぱく源を中心に配合しつつ、シンプルな原材料にこだわった商品として知られています。
高たんぱく・高脂質に極端に寄せず、日常的に続けやすい設計なので、「まずグレインフリーを試してみたい」という飼い主さんにも検討しやすい選択肢です。海外製の味わいを好む犬にも評価されやすいフードと言えます。
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魚を主なたんぱく源にしたグレインフリーフードは、脂質の質を重視したい場合や、肉系が合いにくい犬の選択肢になります。
すべての犬に合うわけではありませんが、体重管理を意識したい犬や、食事内容を少し軽めにしたい場合に検討されることがあります。原材料だけでなく、カロリー設計や給餌量の目安も確認しながら選ぶと、日常管理がしやすくなります。

モグワン マグロ&白身魚は、主なたんぱく源を魚に絞ったグレインフリードッグフードです。肉類が合いにくい犬や、脂質の重さが気になる場合に、食事内容を見直す選択肢として検討されやすい設計になっています。
魚由来のたんぱく質を中心にしつつ、極端に軽すぎない栄養バランスを意識しているため、体重管理を意識したい犬にも取り入れやすい点が特徴です。いつものフードとの切り替えや、ローテーション候補としても使いやすいでしょう。
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人気のグレインフリー、カナガンとネルソンズの違いも詳しく解説しています。
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グレインフリードッグフードは注目度が高い一方で、「本当に必要?」「市販でも大丈夫?」など具体的な不安や条件付きの疑問が多く検索されています。ここでは、実際によく調べられている内容をもとに、判断のヒントになる考え方を整理します。
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グレインフリードッグフードのメリット・デメリットは?
グレインフリーのメリットは、穀物が体質に合いにくい犬でも選択肢を広げやすい点です。一方で、すべての犬に必要なわけではなく、原材料の構成によっては合わない場合もあります。
メリットだけで判断せず、愛犬の体質や食後の様子を見ながら選ぶ姿勢が大切です。
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市販のグレインフリードッグフードでも問題ありませんか?
市販のグレインフリーフードでも、原材料や成分設計がしっかりしていれば問題ありません。
ただし「グレインフリー」という表示だけで選ぶのではなく、主原料やたんぱく源の質を確認することが重要です。続けやすさと内容のバランスを見て判断すると安心です。
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グレインフリードッグフードは安いものでも大丈夫?
価格が安いからといって必ずしも悪いわけではありませんが、原材料の質や栄養バランスには差が出やすいです。安さを重視する場合は、主原料が何か、成分値が極端でないかを確認し、体調に変化が出ないか様子を見ながら使うことが大切です。
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グレインフリーにするとアレルギーや下痢は改善しますか?
アレルギーや下痢の原因は犬によって異なり、必ずしも穀物とは限りません。グレインフリーに切り替えて調子が落ち着くケースもありますが、改善を断定することはできません。
食事は原因を探る一つの手段として考え、少量から試して様子を見ると判断しやすいです。
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グレインフリーは涙やけ対策になりますか?
涙やけは体質や生活環境、食事内容など複数の要因が重なって起こります。グレインフリーにしたことで変化を感じる場合もありますが、必ず効果が出るとは言えません。食事だけに頼らず、総合的に様子を見ることが大切です。
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子犬やシニア犬にグレインフリードッグフードは使えますか?
子犬やシニア犬でも使える商品はありますが、成長期や高齢期は特に栄養設計が重要です。たんぱく質やカロリーが過不足にならないかを確認し、年齢や体調に合った設計かどうかを見極める必要があります。切り替えは少量から行うと安心です。
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低カロリー・低脂肪のグレインフリーフードはありますか?
グレインフリーでも、カロリーや脂質を抑えた設計の商品はあります。ただし、穀物を使わない分、別の食材でエネルギーを補っている場合もあるため、成分値を確認することが大切です。
体重管理が目的の場合は、給餌量の調整もあわせて行うと効果的です。
グレインフリードッグフードは、穀物を使わないという特徴から注目されていますが、すべての犬に必要というわけではありません。
大切なのは「グレインフリーかどうか」だけで判断せず、原材料の内容や栄養バランス、愛犬の体質や生活スタイルに合っているかを確認することです。
市販品でも選択肢はあり、続けやすさを重視する考え方も間違いではありません。切り替える際は少量から始め、便や皮膚の様子を見ながら調整していくと安心です。
この記事で紹介した選び方や商品を参考に、無理なく続けられるフードを見つけてください。

こんにちは、愛犬ごはんノート編集部 minamiです。現在は柴犬のムギ(9歳)とザネ(7歳)と暮らしています。
ムギは子犬の頃から皮膚が弱くアレルギー性皮膚炎があり、ザネは内臓が少し繊細。日々の食事が体調に大きく影響するので、これまで20種類以上のドッグフードを試してきました。
成分や原材料について調べるのが趣味のようになり、自分なりに学んだことや、実際に愛犬に与えてきたフードの体験談をこのサイトでご紹介しています。
愛犬の健康に不安がある方や、どのフードを選べばいいか悩んでいる方にとって、少しでもヒントになればうれしいです。
運営者名:愛犬ごはんノート編集部 minami
愛犬の食事管理歴15年以上、20種以上のフード比較経験。
参照・取材方針:公的機関・学術資料を一次情報として優先し、体験談とは区別して解説します。
本記事は一般的情報であり、診断・治療の代替ではありません。医療判断は獣医師へ。