「無添加」と書かれたドッグフードを見かけると、なんとなく体に良さそうな印象を受けますよね。
でも実際のところ、本当にすべての「無添加」が安全だと言えるのでしょうか?
この記事では、「無添加」とはどんな意味なのか?本当に安全なのか? という疑問にやさしくお答えしながら、避けたい添加物の種類や、後悔しないドッグフードの選び方までをわかりやすく解説していきます。
愛犬の健康を守るために、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
「無添加」と聞くと、「人工的なものが入っていない=完全に安心」と思いがちですが、実はその表示には明確な基準がありません。このセクションでは、まず「無添加」の本当の意味や、その表示がどう解釈されるべきかを詳しく見ていきましょう。
ドッグフードのパッケージでよく見かける「無添加」という言葉には、実は法的な定義がありません。つまり、「保存料は使っていないが着色料は使用している」といったケースでも「無添加」と表示することができてしまいます。
多くの飼い主が「完全に添加物が入っていない」と誤解してしまうため、実際には一部の人工添加物だけを省いたフードであることも少なくありません。購入前には、原材料表示をしっかり確認することが大切です。
本来、ドッグフードには栄養バランスを整えるためにビタミンやミネラルなどの栄養添加物が使われることが多く、これらも広義では「添加物」に含まれます。
たとえ保存料や酸化防止剤を使っていなくても、栄養補助目的で添加された成分がある限り「完全無添加」とは言い切れません。また、天然由来の成分であっても抽出や加工の段階で添加物とみなされることもあります。
つまり、消費者の「無添加=完全に何も入っていない」というイメージとは異なる場合があるのです。
「無添加ドッグフード」にこだわる飼い主の中には、最終的に手作りごはんへ移行する方もいます。確かに、自分で素材を選び、調理することで人工添加物を完全に排除することが可能になります。
ただし、手作りごはんは保存が難しく、栄養の偏りが出やすいというデメリットもあります。
一方で、市販の無添加フードは保存性や栄養バランスが確保されている分、完全無添加ではなくとも実用性に優れていると言えるでしょう。
目的やライフスタイルに応じた適切な選択が重要です。
「無添加」と「オーガニック」は、どちらも“体に良さそう”というイメージがありますよね。でも実は、この2つは意味も基準もまったく異なる言葉です。混同しやすい用語だからこそ、それぞれの違いをしっかりと理解しておくことが大切です。
「無添加」は、主に製造過程での添加物使用の有無を表す言葉です。人工保存料や着色料、香料などが含まれていないことを意味します。
一方、「オーガニック」は、原材料の栽培や飼育方法に注目した用語で、農薬や化学肥料、遺伝子組み換えなどを極力避けた方法で育てられた素材を使用したフードを指します。
つまり、「無添加=製造面の安心」「オーガニック=素材の安心」というように、それぞれの意味はまったく異なる方向に向いています。
どちらも健康志向の高いフードであることに変わりはありませんが、「安全性が高いという表示=絶対に体に良い」というわけではありません。
オーガニック素材であっても酸化を防ぐために添加物を使用しているケースもありますし、無添加であっても原材料の品質が保証されているとは限りません。
つまり、無添加とオーガニックは「どちらが優れているか」ではなく、「どのように違うか」を理解することが大切です。両方の特性を知ったうえで、愛犬の体質や目的に合ったものを選びましょう。
「無添加」かつ「オーガニック」、両方を満たすドッグフードは理想的に思えるかもしれませんが、実際には市場にあまり多く出回っていません。
その理由は、厳しい基準をクリアした素材を使い、かつ人工添加物を避けて製造するには、非常にコストと手間がかかるからです。
そのため、価格はどうしても高くなりがちで、継続しにくいという声も少なくありません。毎日のごはんだからこそ、品質と続けやすさのバランスを考えることが現実的です。
ドッグフードには、着色料、保存料、抗酸化剤など様々な種類の添加物が含まれています。今与えているドッグフードの成分とあわせてチェックしてみてください。
プロピレングリコール(PG)は、化学的にはプロピレンオキシドと水を結びつけた化合物であり、食品や医薬品、化粧品などの様々な製品に使用される添加物です。
ドッグフードでは、湿潤剤や着色料として使用されることがあります。また、食品工業では保存料としても利用されることがあります。
PGは人体に対して一般的に安全とされていますが、一部の犬にはアレルギー反応を引き起こす可能性があるため、過剰な摂取は避けるべきです。
ソルビン酸カリウムは、食品の保存料として広く使用される化合物です。食品工業では、カビや酵母などの微生物の成長を抑制し、食品の新鮮さや品質を維持するために利用されます。
ドッグフードやキャットフードでも一般的に使用され、製品の耐久性を向上させるのに役立ちます。
ソルビン酸カリウムは食品添加物として安全性が確認されており、一般的には体に害を及ぼすことはありません。ただし、過剰摂取は避けるべきです。
安定した食肉の色を保持する効果の他、食品の保存料として広く使用される化合物です。特に肉製品や加工肉、ハム、ソーセージなどの加工食品によく使われます。
亜硝酸ナトリウムは食品に添加されると、食品中の微生物の成長を抑制し、腐敗を防ぎます。また、肉製品にピンク色を与え、新鮮な見た目を保つ効果もあります。
ただし、亜硝酸ナトリウムは高温で調理される際に窒素酸化物に変化し、発がん性物質である亜硝酸アミンを生成する可能性があります。そのため、亜硝酸ナトリウムの使用は適切な量で厳密に管理される必要があります。
エトキシキンは、食品やペットフードなどの製品に使用される合成の抗酸化剤です。食品工業では、食品の酸化や脂肪の酸敗を防ぐために広く利用されています。
ただし、エトキシキンには懸念される健康リスクが存在します。一部の研究では、エトキシキンが動物に有害な影響を及ぼす可能性が示唆されています。
特に長期間の摂取や高濃度での扱いが問題視されています。そのため、一部の国や地域ではエトキシキンの使用が制限されている場合もあります。
BHA(ブチルヒドロキシアニソール)とBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)は、食品やペットフード、化粧品などの製品に使用される合成の抗酸化剤です。これらの化合物は食品の酸化や脂質の酸敗を防ぎ、製品の新鮮さや保存性を向上させる役割があります。
一般的には安全とされていますが、エトキシキンと同じように長期間の摂取や高濃度の取り扱いが健康への影響を及ぼす可能性があるという懸念があります。
これらの化合物ががんやその他の健康問題と関連しているという研究報告もありますが、まだ明確な証拠は得られていません。
食品やペットフードで使用される場合は使用量は規制されています。適切な量での使用は安全とされてはいますが、剰摂取を避けるためにも、製品のラベルや成分表を確認し、愛犬の健康を考慮する必要があります。
ローズマリー植物から抽出される天然の抗酸化剤。人工的な抗酸化剤よりも自然な成分であるため、食品添加物としては好まれる傾向にあります。
ただし、高濃度での摂取が問題となる場合や、個体によってはローズマリーに対してアレルギー反応を示すことがあるので、できれば避けておきたい成分の一つです。
ドッグフードの「添加物」と聞くと、すぐに「危険」「体に悪い」と感じてしまう方も多いかもしれません。ですが、すべての添加物が悪というわけではありません。
ここでは、人工添加物と天然添加物の違いや、特に注意したい成分の見分け方をわかりやすく解説していきます。
添加物には大きく分けて、人工的に合成されたものと、植物や自然由来の成分を利用したものがあります。人工添加物は安価で安定性が高い一方、長期的な健康リスクやアレルギーの懸念が指摘される成分も含まれています。
一方、天然添加物は比較的体に優しいとされますが、すべてが無害というわけではなく、アレルギー源となることもあるため個体差に注意が必要です。ポイントは、「添加物=悪」と決めつけずに、成分ごとの性質を知って見極めることです。
無添加フードを選ぶ際にチェックしておきたいのが、人工保存料や酸化防止剤としてよく使われる成分です。
たとえば、エトキシキン・BHA・BHT・ソルビン酸カリウム・亜硝酸ナトリウムなどは、いずれも使用量によっては健康に影響を及ぼす可能性があるとされています。
これらは一部の安価なドッグフードに使用されることもあり、発がん性や内臓への負担が懸念されている成分です。購入前には原材料表示を確認し、不安な成分は避ける意識が大切です。
ここでは代表的な添加物だけを簡単に紹介しましたが、より詳しく知りたい方のために、別の記事で成分ごとのリスクを一覧でまとめています。
それぞれの添加物がどんな特徴を持ち、どの程度危険視されているのかについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
「無添加フード=高品質」と言われることも多いですが、実際には良い面もあれば気をつけたい点もあります。このセクションでは、無添加ドッグフードを選ぶ前に知っておきたいメリットとデメリットを整理し、どんな飼い主さんにおすすめなのかをご紹介します。
無添加ドッグフードの一番の魅力は、人工保存料や合成着色料などの不要な成分をできるだけ排除できることにあります。これにより、体内に取り込まれる化学物質の量が減り、アレルギーや内臓への負担のリスクを抑えることが期待できます。
また、腸内環境や皮膚の健康をサポートし、便の改善や毛ヅヤの向上が見られるケースも。とくに体質が敏感な犬やアレルギー体質の愛犬には、無添加フードは非常に相性が良い選択肢です。
メリットが多い一方で、無添加ドッグフードは価格がやや高めであることが一般的です。これは、人工添加物を使わずに品質を保つために、高品質な原材料や製造工程にコストがかかるためです。
さらに、一般のスーパーや量販店ではなかなか手に入りにくく、通販や専門店での購入が中心となります。こうした点から、「気軽に買えて安いフード」を重視する飼い主さんにとっては、ややハードルの高い選択肢と言えるかもしれません。
無添加ドッグフードは、愛犬の健康を第一に考える方や、アレルギー・体質に不安があるワンちゃんを飼っている方に特におすすめです。
また、食品の成分表示をしっかりチェックして選ぶ習慣がある方には、無添加フードの価値を正しく見極める力があるため、選びがいのある製品とも言えるでしょう。
逆に、コスパ重視でフードを選ぶ方や、保存性を優先したい場合は、無添加フードよりも加熱処理タイプや一般的な総合栄養食が適しているケースもあります。
「無添加」と表示されているからといって、すべてのフードが安心とは限りません。大切なのは、ラベルや成分表をしっかりと読み解き、愛犬に合った製品かどうかを見極めることです。
ここでは、無添加ドッグフードを選ぶときに押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。
ドッグフードを選ぶ際、まず注目すべきなのが原材料表示です。原則として、含有量の多い順に記載されているため、最初に表示されている原材料が主な構成要素になります。
たとえば「チキン」や「サーモン」などの具体的な動物性タンパク源が最初に書かれているものは、良質な素材が使われている可能性が高いと言えます。また、「調味料」「香料」「○○エキス」など曖昧な表記が多いものは避けるのが安心です。
「無添加」と書かれていても、実は合成の酸化防止剤や保存料が使われているケースは少なくありません。エトキシキン・BHA・BHTといった成分は特に注意が必要です。
代わりに天然由来の保存料(ローズマリー抽出物、ビタミンEなど)が使われている製品の方が、愛犬の体に優しいとされています。
表示を読む際には、「〇〇フリー」と明記されているか、あるいは添加物の種類まで具体的に書かれているかを確認するのがポイントです。
どれだけ良さそうな原材料が書かれていても、製造元が不明瞭だったり、安全性に関する情報が少ないメーカーの製品には注意が必要です。
公式サイトで製造国、原材料の産地、第三者機関の検査情報などが公開されているメーカーは、透明性が高く信頼性があると言えるでしょう。
さらに、サンプル販売やお試しパックが用意されているかどうかも、ユーザー目線での配慮があるかを見極めるヒントになります。
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無添加ドッグフードは本当に安全なの?
はい、人工的な保存料や着色料が含まれていないぶん、体への負担が少ないとされています。ただし、「無添加」と表示されていても一部の添加物が使われている場合もあるため、成分表示をしっかり確認することが重要です。
すべての犬に絶対安全というわけではなく、愛犬の体質に合わせて選ぶことが大切です。
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無添加フードはどこで買えるの?
無添加ドッグフードは、通販サイトや動物病院、専門のペットショップなどで取り扱いがあります。一般的なスーパーや量販店ではあまり見かけないため、信頼できる通販サイトや公式販売ページからの購入がおすすめです。
また、レビューや原材料表示を事前に確認してから選ぶと安心です。
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今まで添加物入りのフードを与えていたけど切り替えて大丈夫?
もちろん大丈夫です。ただし、急にフードを切り替えると下痢や食欲不振を起こすこともあるため、少しずつ混ぜながら1〜2週間ほどかけて切り替えるのが理想的です。
無添加フードは味がやや淡泊な場合もあるため、食いつきの様子を見ながら無理のないペースで進めてください。
「無添加」と書かれていても、すべてが完全に添加物不使用というわけではありません。表示の意味や添加物の種類を正しく理解することで、本当に安心して与えられるフードを見極める力が身につきます。
大切なのは、「無添加だから良い」と決めつけるのではなく、愛犬の体質やライフスタイルに合ったフードを選ぶことです。毎日の食事が、愛犬の健康を守る第一歩となりますように。