犬のドッグフードに理想的なたんぱく質量は?与えすぎのデメリットも解説

愛犬ごはんノート編集部
愛犬ごはんノート編集部

たんぱく質のベストな割合を紹介する画像。チキンは嗜好性重視、ラム肉は高たんぱく低アレルゲンの特徴を示している。

高たんぱくなドッグフードは、筋肉の維持や健康的な体づくりをサポートする栄養豊富な選択肢として注目されています。一方で、体質やライフステージによっては「たんぱく質が多すぎることで健康リスクを招く」ケースもあります。


この記事では、犬にとって必要なたんぱく質の役割と適量、摂りすぎによるデメリット、肉の種類による違いまでわかりやすく解説します。



高たんぱくドッグフードの特徴とは

犬の筋肉や臓器、被毛などを作る材料として欠かせないたんぱく質。高たんぱくドッグフードは、これを通常より多く含んでおり、特に活動量が多い犬や成長期の子犬、アスリート犬などに選ばれる傾向があります


しかし、高たんぱくといってもその定義は曖昧で、フードによって配合量や原材料の質にも大きな違いがあります。まずは、その特徴を正しく理解しておくことが大切です。

高たんぱくフードのデメリットと注意点

高たんぱくなドッグフードには健康メリットがある一方、過剰に摂取すると思わぬトラブルを招くこともあります。犬の年齢や体質によっては、かえって体に負担がかかることもあるため、注意が必要です。


⚠️ 高たんぱくに変えたらうちの子が下痢に?実際の注意点


たんぱく質は消化に時間がかかる栄養素で、摂りすぎると胃腸に大きな負担を与えます。


特に胃腸が弱い犬や、消化酵素の分泌が不十分な子犬・シニア犬では、未消化のまま腸に送られやすく、軟便や下痢などの消化不良を起こしやすくなります。量だけでなく、たんぱく源の消化吸収のしやすさにも注意が必要です。


🩺 腎臓の機能低下につながる可能性


たんぱく質は代謝の過程で窒素などの老廃物を生み出し、それを処理するのが腎臓の役割です。過剰な摂取が続くと、老廃物の量が増えて腎臓への負担が大きくなり、慢性的な疲労や機能低下を招く可能性があります


特に腎臓に不安のある犬や高齢犬では、たんぱく質量に十分な配慮が求められます。


🍔 肥満やカロリー過多になりやすい


高たんぱくなドッグフードは、脂質を多く含むことが多く、総カロリーも高くなりがちです。


筋肉を維持したいときに有効ですが、運動不足の犬や小型犬では、余分なエネルギーが脂肪として蓄積され、肥満を招くリスクが高まります。給餌量や運動量を見直すことも大切です。


肥満の原因はたんぱく質だけではなく、脂肪の摂りすぎにもあります。
➡ 愛犬の体型管理が気になる方は、「脂肪の役割と適正量」について解説したこちらの記事もご参考ください。

犬に必要なたんぱく質の量とバランス

犬にとってたんぱく質は欠かせない栄養素ですが、必要な量は体格や年齢、健康状態によって大きく異なります。また、単に量だけでなく、ほかの栄養素とのバランスも重要なポイントになります。


👶 ライフステージごとの目安量


子犬は成長に多くのたんぱく質を必要とし、成犬では活動量に応じて調整が必要です。シニア犬になると過剰摂取が腎臓に負担をかけることもあるため、ライフステージに応じたフード選びが欠かせません。


犬種や体質によっても適量が変わるため、パッケージに記載された成分量や給餌目安を確認することが大切です。


📘 AAFCOが定める最低基準とは


ドッグフードの栄養基準は、AAFCO(米国飼料検査官協会)が指針を出しています。たとえば、子犬用フードには乾物換算で22.5%以上、成犬用では18%以上のたんぱく質が推奨されています


ただしこれはあくまで最低基準であり、個体の健康状態や活動レベルに応じて最適な量を見極める必要があります。


⚖️ たんぱく質と他の栄養素のバランスも大切


たんぱく質が豊富でも、脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルなどとのバランスが崩れていれば、かえって健康に悪影響を及ぼすことがあります。エネルギー源としての脂質、消化を助ける食物繊維なども重要です


総合的に栄養バランスがとれたフードを選ぶことが、健康維持への近道となります。


🐕‍🦺 高たんぱくフードはどんな犬に向いているの?


高たんぱくフードは、筋肉量が必要な成長期の子犬や、運動量の多い成犬、活動的な犬種に向いています。また、手術後や病気からの回復期で体力をつけたい犬にもおすすめされることがあります。


ただし、健康状態によってはたんぱく質の制限が必要な場合もあるため、獣医師の判断を仰ぐのが安心です。

よく使われる動物性たんぱく源の違い

ドッグフードに使われるたんぱく質の多くは「肉類」に由来していますが、その種類によって栄養価やアレルギーリスク、消化のしやすさなどが異なります。ここでは代表的なたんぱく源の特徴を見ていきましょう。


🍗 チキン・ターキー


チキンは高たんぱく・低脂肪で消化もしやすく、ほとんどの犬に適したスタンダードな原材料です。ターキー(七面鳥)はチキンよりややアレルゲン性が低いとされ、食物アレルギーがある犬の代替たんぱく源としても使われます。


どちらも栄養バランスに優れ、総合栄養食によく採用されています。


🥩 ラム・ビーフ・ポーク


ラムは鉄分や亜鉛、ビタミンB群が豊富で、アレルギーの少ないたんぱく源として人気があります


ビーフやポークは香りが強く嗜好性が高いため食いつきに優れていますが、犬によってはアレルギー反応を起こすこともあります。また、脂質が多めな傾向があり、体重管理が必要な犬では注意が必要です。


🐟 魚・鹿・馬などの特殊肉


魚はたんぱく質だけでなく、オメガ3脂肪酸(DHAやEPA)を豊富に含み、皮膚・被毛の健康維持に効果的です


鹿肉や馬肉は低脂肪・高たんぱくなうえ、アレルゲンになりにくいため、食物アレルギー対応の療法食にも多く使われています。やや高価ですが、体質に合った選択肢として検討する価値があります。

たんぱく質の与え方Q&A


(タップで回答)
犬にたんぱく質をあげすぎるとどうなりますか?

摂りすぎたたんぱく質は腎臓や消化器に負担をかけることがあり、軟便や下痢、腎臓の負担、肥満につながるリスクがあります。



(タップで回答)
高たんぱくドッグフードはどんな犬に向いていますか?

成長期の子犬や運動量の多い犬、筋肉維持が必要な犬に適しています。シニア犬や腎臓が弱い犬には慎重な選び方が必要です。



(タップで回答)
肉以外のたんぱく源にはどんなものがありますか?

魚、卵、大豆、えんどう豆などがあります。植物性たんぱく質は消化吸収率がやや低めですが、アレルギー対応に使われることもあります。


中でもえんどう豆についてはアレルギーや心臓病との関連が気になる方も多いため、詳しくはこちらの記事で解説しています。
👉 犬にえんどう豆は与えても大丈夫?アレルギーや心臓病が心配なときの不使用フードも紹介



(タップで回答)
シニア犬でも高たんぱくフードを与えていいですか?

シニア犬は筋肉量維持にたんぱく質が必要ですが、過剰は腎臓や肝臓に負担をかけます。体調や血液検査の結果を考慮し、無理のない範囲で与えることが大切です。



(タップで回答)
ドッグフードのたんぱく質は何%が理想ですか?

子犬は25〜30%前後、成犬は20〜25%前後、シニア犬は18〜23%前後が目安です。ただし犬種や体質、運動量によって適切な数値は変わるため、愛犬に合わせて調整しましょう。

たんぱく質との上手な付き合い方が大切

たんぱく質は犬の体を作る重要な栄養素であり、欠かすことはできません。ただし、たくさん摂ればよいというものではなく、摂取量やたんぱく源の種類、愛犬の年齢や体質に合わせて選ぶことが大切です


高たんぱくなフードは、体づくりや筋肉維持を目的とした犬にとって心強い存在ですが、消化器や腎臓に負担をかけるリスクもあるため、体調や食後の様子を見ながら適切なフードを選んであげましょう。


総合的な栄養バランスにも目を向けて、健康的な食生活をサポートしてください。