
高たんぱくドッグフードは、犬によっては下痢や体重増加、腎臓への負担につながることがあります。とくにシニア犬や胃腸が弱い犬では注意が必要です。
この記事では、高たんぱくフードのデメリットと合わない犬の特徴、安心して選ぶための目安を解説します。
高たんぱくなドッグフードには健康メリットがある一方、過剰に摂取すると思わぬトラブルを招くこともあります。犬の年齢や体質によっては、かえって体に負担がかかることもあるため、注意が必要です。
たんぱく質は消化に時間がかかる栄養素で、摂りすぎると胃腸に大きな負担を与えます。
特に胃腸が弱い犬や、消化酵素の分泌が不十分な子犬・シニア犬では、未消化のまま腸に送られやすく、軟便や下痢などの消化不良を起こしやすくなります。量だけでなく、たんぱく源の消化吸収のしやすさにも注意が必要です。
たんぱく質は代謝の過程で窒素などの老廃物を生み出し、それを処理するのが腎臓の役割です。過剰な摂取が続くと、老廃物の量が増えて腎臓への負担が大きくなり、慢性的な疲労や機能低下を招く可能性があります。
特に腎臓に不安のある犬や高齢犬では、たんぱく質量に十分な配慮が求められます。
高たんぱくなドッグフードは、脂質を多く含むことが多く、総カロリーも高くなりがちです。
筋肉を維持したいときに有効ですが、運動不足の犬や小型犬では、余分なエネルギーが脂肪として蓄積され、肥満を招くリスクが高まります。給餌量や運動量を見直すことも大切です。
肥満の原因はたんぱく質だけではなく、脂肪の摂りすぎにもあります。
➡ 愛犬の体型管理が気になる方は、「脂肪の役割と適正量」について解説したこちらの記事もご参考ください。
高たんぱくのドッグフードは、筋肉づくりを支える一方で、犬によっては消化や体重管理の負担になりやすい面があります。体質や年齢、持病によって向き不向きが出るため、当てはまるポイントがないかを先に確認しておくと安心です。
シニア期に入ると、腎臓や肝臓の働きが若い頃よりゆるやかに落ちやすくなります。高たんぱくの食事は代謝の過程で老廃物が増えるため、処理の負担が大きくなることがあります。
血液検査で腎臓の数値に不安がある場合は、自己判断で高たんぱくを続けず、獣医師の方針に合わせて調整することが大切です。
たんぱく質は犬に必要な栄養素ですが、体質によっては消化が追いつかず、お腹がゆるくなることがあります。
特に切り替え直後に便が不安定になったり、ガスが増えたりする場合は、たんぱく質量だけでなく原材料や消化のしやすさにも目を向ける必要があります。便の状態を見ながら、少しずつ切り替える方法も検討すると失敗しにくくなります。
高たんぱくフードは商品によって脂質も高めで、結果としてカロリーが上がりやすい傾向があります。散歩量が少ない犬や室内中心で過ごす犬では、摂取カロリーが消費を上回り、体重が増えやすくなることがあります。
体型維持が優先の犬は、高たんぱくよりも脂質やカロリーを抑えた設計の方が合うケースもあるため、成分のバランスで判断すると安心です。
すでに体重が増え気味の犬は、高たんぱくであってもカロリーが高いフードを選ぶと減量が進みにくくなることがあります。筋肉維持の観点でたんぱく質は大切ですが、体重管理では「脂質」と「総カロリー」が結果を左右しやすいポイントです。
たんぱく質量だけに注目せず、給与量を守れるか、続けたときに体重が落ちる設計かをあわせて確認すると選び間違いを防げます。
腎臓や肝臓、膵臓などに持病がある犬は、たんぱく質量を含めて食事内容に制限が必要な場合があります。高たんぱくフードは健康な犬には心強い選択肢でも、病気の種類や状態によっては負担になることがあります。
過去に治療歴がある、検査で指摘を受けたことがある場合は、市販フードへの切り替えも含めて獣医師に相談し、療法食を含めた選択肢から決める方が安全です。
犬にとってたんぱく質は欠かせない栄養素ですが、必要な量は体格や年齢、健康状態によって大きく異なります。また、単に量だけでなく、ほかの栄養素とのバランスも重要なポイントになります。
子犬は成長に多くのたんぱく質を必要とし、成犬では活動量に応じて調整が必要です。シニア犬になると過剰摂取が腎臓に負担をかけることもあるため、ライフステージに応じたフード選びが欠かせません。
犬種や体質によっても適量が変わるため、パッケージに記載された成分量や給餌目安を確認することが大切です。
ドッグフードの栄養基準は、AAFCO(米国飼料検査官協会)が指針を出しています。たとえば、子犬用フードには乾物換算で22.5%以上、成犬用では18%以上のたんぱく質が推奨されています。
ただしこれはあくまで最低基準であり、個体の健康状態や活動レベルに応じて最適な量を見極める必要があります。
たんぱく質が豊富でも、脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルなどとのバランスが崩れていれば、かえって健康に悪影響を及ぼすことがあります。エネルギー源としての脂質、消化を助ける食物繊維なども重要です。
総合的に栄養バランスがとれたフードを選ぶことが、健康維持への近道となります。
高たんぱくフードは、筋肉量が必要な成長期の子犬や、運動量の多い成犬、活動的な犬種に向いています。また、手術後や病気からの回復期で体力をつけたい犬にもおすすめされることがあります。
ただし、健康状態によってはたんぱく質の制限が必要な場合もあるため、獣医師の判断を仰ぐのが安心です。以下の犬種は高たんぱく食との相性が良い代表例です。
・ジャックラッセルテリア
活発で俊敏、筋肉質な体を持つ犬種です。走る・跳ぶなど瞬発的な運動が多いため、筋肉維持に良質なたんぱく質が欠かせません。運動後の回復も意識した食事が理想です。
・ボーダーコリー
高い知能と持久力を併せ持つアクティブな犬種です。長時間の運動で筋肉を酷使しやすく、疲労回復とエネルギー補給のために、消化吸収の良い高たんぱく食が向いています。
・ラブラドール・レトリバー
筋肉量が多く泳ぎも得意な大型犬です。運動量が多い反面、太りやすいため、高たんぱくで脂質を抑えたバランス食が適しています。筋肉を維持しながら健康的に体重を管理できます。
ただし、犬種や年齢によって代謝量は異なるため、高たんぱくでも与えすぎは注意が必要です。若い犬でも、体調や運動量に合わせて調整しましょう。
犬の筋肉や臓器、被毛などを作る材料として欠かせないたんぱく質。高たんぱくドッグフードは、これを通常より多く含んでおり、特に活動量が多い犬や成長期の子犬、アスリート犬などに選ばれる傾向があります。
しかし、高たんぱくといってもその定義は曖昧で、フードによって配合量や原材料の質にも大きな違いがあります。まずは、その特徴を正しく理解しておくことが大切です。
ドッグフードに使われるたんぱく質の多くは「肉類」に由来していますが、その種類によって栄養価やアレルギーリスク、消化のしやすさなどが異なります。ここでは代表的なたんぱく源の特徴を見ていきましょう。
チキンは高たんぱく・低脂肪で消化もしやすく、ほとんどの犬に適したスタンダードな原材料です。ターキー(七面鳥)はチキンよりややアレルゲン性が低いとされ、食物アレルギーがある犬の代替たんぱく源としても使われます。
どちらも栄養バランスに優れ、総合栄養食によく採用されています。
ラムは鉄分や亜鉛、ビタミンB群が豊富で、アレルギーの少ないたんぱく源として人気があります。
ビーフやポークは香りが強く嗜好性が高いため食いつきに優れていますが、犬によってはアレルギー反応を起こすこともあります。また、脂質が多めな傾向があり、体重管理が必要な犬では注意が必要です。
魚はたんぱく質だけでなく、オメガ3脂肪酸(DHAやEPA)を豊富に含み、皮膚・被毛の健康維持に効果的です。
鹿肉や馬肉は低脂肪・高たんぱくなうえ、アレルゲンになりにくいため、食物アレルギー対応の療法食にも多く使われています。やや高価ですが、体質に合った選択肢として検討する価値があります。
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犬にたんぱく質をあげすぎるとどうなりますか?
摂りすぎたたんぱく質は腎臓や消化器に負担をかけることがあり、軟便や下痢、腎臓の負担、肥満につながるリスクがあります。
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高たんぱくドッグフードはどんな犬に向いていますか?
成長期の子犬や運動量の多い犬、筋肉維持が必要な犬に適しています。シニア犬や腎臓が弱い犬には慎重な選び方が必要です。
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肉以外のたんぱく源にはどんなものがありますか?
魚、卵、大豆、えんどう豆などがあります。植物性たんぱく質は消化吸収率がやや低めですが、アレルギー対応に使われることもあります。
中でもえんどう豆についてはアレルギーや心臓病との関連が気になる方も多いため、詳しくはこちらの記事で解説しています。
👉 犬にえんどう豆は与えても大丈夫?アレルギーや心臓病が心配なときの不使用フードも紹介
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シニア犬でも高たんぱくフードを与えていいですか?
シニア犬は筋肉量維持にたんぱく質が必要ですが、過剰は腎臓や肝臓に負担をかけます。体調や血液検査の結果を考慮し、無理のない範囲で与えることが大切です。
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ドッグフードのたんぱく質は何%が理想ですか?
子犬は25〜30%前後、成犬は20〜25%前後、シニア犬は18〜23%前後が目安です。ただし犬種や体質、運動量によって適切な数値は変わるため、愛犬に合わせて調整しましょう。
たんぱく質は犬の体を作る重要な栄養素であり、欠かすことはできません。ただし、たくさん摂ればよいというものではなく、摂取量やたんぱく源の種類、愛犬の年齢や体質に合わせて選ぶことが大切です。
高たんぱくなフードは、体づくりや筋肉維持を目的とした犬にとって心強い存在ですが、消化器や腎臓に負担をかけるリスクもあるため、体調や食後の様子を見ながら適切なフードを選んであげましょう。
総合的な栄養バランスにも目を向けて、健康的な食生活をサポートしてください。

こんにちは、愛犬ごはんノート編集部 minamiです。現在は柴犬のムギ(9歳)とザネ(7歳)と暮らしています。
ムギは子犬の頃から皮膚が弱くアレルギー性皮膚炎があり、ザネは内臓が少し繊細。日々の食事が体調に大きく影響するので、これまで20種類以上のドッグフードを試してきました。
成分や原材料について調べるのが趣味のようになり、自分なりに学んだことや、実際に愛犬に与えてきたフードの体験談をこのサイトでご紹介しています。
愛犬の健康に不安がある方や、どのフードを選べばいいか悩んでいる方にとって、少しでもヒントになればうれしいです。
運営者名:愛犬ごはんノート編集部 minami
愛犬の食事管理歴15年以上、20種以上のフード比較経験。
参照・取材方針:公的機関・学術資料を一次情報として優先し、体験談とは区別して解説します。
本記事は一般的情報であり、診断・治療の代替ではありません。医療判断は獣医師へ。