愛犬が心臓病と診断されると、治療と同じくらい気になるのが「食事はどうすればいいの?」ということ。特に心臓に負担をかけないためには、塩分(ナトリウム)や脂肪の量に配慮されたフード選びが大切です。
ここでは、心臓病のケア段階におすすめできる一般食と、進行時に使われる療法食をバランスよくご紹介します。症状のステージや食欲の状態にあわせて、愛犬に合った食事を選ぶヒントにしてみてください。
心臓病と診断された愛犬の健康を支えるうえで、日々の食事内容はとても重要なポイントです。心臓への負担を減らすためには、塩分や脂肪、カロリーなどに配慮したフード選びが欠かせません。
まずは、心臓病の犬に適した栄養設計や食事管理の考え方を整理しておきましょう。
心臓病の犬には、血圧や体液バランスに関わるナトリウム(塩分)を過剰に摂らせないことが重要です。
一般的なドッグフードに比べてナトリウム量を抑えた「減塩設計」のフードを選ぶことで、心臓への負担を軽減できます。ナトリウム量は100gあたり0.2~0.3%以下を目安にするとよいでしょう。
脂肪やカロリーのとりすぎは、体重増加や血液循環の負担につながり、心臓に悪影響を与える可能性があります。
特に肥満傾向のある犬は、低脂肪・高たんぱくのフードに切り替えることで、心臓を支える筋肉の維持と体重管理が両立できます。与える量も、年齢や運動量に合わせて見直すことが大切です。
心臓病とあわせて腎臓や肝臓の機能が低下しているケースでは、ナトリウムやリン、タンパク質の制限が必要になることもあります。
こうした複合的な疾患がある場合は、獣医師と相談のうえで療法食を選ぶことが推奨されます。症状のステージによって適切な栄養バランスは異なるため、自己判断は避けましょう。
ナトリウムや脂肪の量に配慮しつつ、嗜好性や栄養バランスにも優れたドッグフードは、心臓病のケアに役立つ選択肢の一つです。
ここでは、軽度~中等度の段階で使える一般食を中心に、進行時に獣医師の指導下で利用する療法食もあわせてご紹介します。ナトリウム量の目安も記載していますので、フード選びの参考にしてみてください。
高齢犬の健康維持をサポートするために設計された「ドクターズダイエット シニアエイジングエイド」は、ナトリウム含有量約0.23%と控えめで、心臓病のケアにも活用しやすい減塩設計が特徴です。
消化に配慮された栄養バランスで、食欲や体力が落ちやすいシニア期でも無理なく続けられるフードです。動物病院専売品なので、安心感も高いのが魅力です。
シュプレモは、自然素材にこだわった総合栄養食で、心臓の健康維持に役立つタウリンやオメガ3脂肪酸も配合。ナトリウムは約0.25%と一般的なフードよりやや低めに設計されています。
食いつきも良好で、食欲が落ちがちな心臓病の子にも使いやすいのが魅力です。
加水調理による低温製法で栄養価と消化のやさしさを両立したPLATINUM。
ナトリウム含有量は0.21%と抑えられており、心臓に負担をかけたくない犬にも向いています。余計な添加物を使用せず、自然な香りと食感で食いつきにも定評があります。
心臓病の初期~中等度のケアに適した療法食で、ナトリウム量を制限し、心臓への負担をやわらげます。水分を多く含むウェットタイプなので、食欲が落ちやすい子や水分補給が気になる子にもおすすめ。
L-カルニチンやタウリンなど、心筋の健康維持に配慮した栄養素も配合されています。獣医師の指導のもとで使用しましょう。
心臓サポート設計の療法食で、ナトリウム量をしっかり制限しつつ、タウリンやL‑カルニチンを配合。過剰な体液貯留(浮腫)を防ぎながら、心筋の機能維持をサポートします。
穀物不使用グレインフリーフードで、アレルギー対応にも◎。まずは800gサイズで体調観察後、継続購買するのがおすすめです。
心臓病の進行度や他の疾患も考慮しながら選ぶことが大切です。愛犬の状態に合わせたフードを見極めることで、症状の悪化を防ぎ、より快適な生活をサポートできます。
心臓病は軽度から重度まで段階的に進行する病気です。そのため、ステージごとに必要とされる栄養バランスも変わってきます。
初期であれば塩分控えめの一般食で十分対応できることもありますが、中〜後期になると、より厳密なナトリウム制限や栄養調整がされた療法食の導入が望ましい場合もあります。愛犬の病状に応じた食事選びを心がけましょう。
心臓病は進行性であり、自己判断でフードを変えることは避けるべきです。特に療法食は、特定の症状や病状に対して設計されており、誤って使用するとかえって負担をかける可能性もあります。
日々の食事内容を見直す際には、かかりつけの獣医師と相談しながら、安全かつ適切な選択をすることが大切です。
心臓の健康をサポートする目的で、タウリンやコエンザイムQ10などのサプリメントを取り入れる方も増えています。しかし、サプリを加えることで栄養バランスが崩れてしまったり、過剰摂取になるリスクもあります。
また、日常的に与えるおやつやトッピングも塩分・脂肪が多いものは避けるべきです。主食と補助食品との全体的なバランスを考えて管理することがポイントです。
愛犬が心臓病と診断されると、日々のケアやフード選びに迷うことも増えてきます。ここでは飼い主さんから寄せられることの多い質問に、わかりやすくお答えします。
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心臓病の犬はどんな症状が出るの?
初期は疲れやすくなったり、咳が出たりといった軽い症状が見られることがあります。進行すると、呼吸が浅く速くなったり、お腹に水がたまる(腹水)などの症状が現れます。
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心臓病になったら運動は控えるべき?
激しい運動は控えたほうが良いですが、軽い散歩などは筋力の維持やストレス軽減に役立ちます。無理のない範囲で、体調を見ながら続けるのが理想的です。
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心臓病の療法食はずっと続けるの?
心臓病の進行度に応じて必要なフードは変わるため、状態が安定していればケア用の一般食で様子を見ることもあります。定期的な診察で獣医師と相談しながら調整しましょう。
心臓病の犬にとって、毎日のフード選びは体調管理の大切な柱です。
軽度の段階では栄養バランスの取れた一般食でもケアが可能ですが、進行するとナトリウム制限や栄養調整された療法食が必要になる場合もあります。今回ご紹介したように、症状のステージや体質に応じて選択肢を使い分けることが大切です。
獣医師との連携を忘れず、日々の様子を見ながら適切なごはんを選んであげましょう。愛犬の心臓を少しでも長く守るために、できることから取り入れていきたいですね。