子犬は成長段階であり、成犬と比べて体が急速に発育しているため、十分な栄養を摂取する必要があります。
成犬用のドッグフードでは子犬の栄養ニーズを満たすことが難しい場合があります。そのため、子犬用の栄養価の高いドッグフードを与えることが重要です。
子犬用のドッグフードは、通常、成長に必要な栄養素がバランスよく含まれています。具体的に言うと、良質なタンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラルなどが大切な栄養素になります。また、成長段階に合わせてカロリー量も多く設計されています。
子犬用のドッグフードを選ぶ際には、成長段階に合った栄養素が含まれているかどうかを確認することが大切です。また、ブランドや製品によって成分や栄養価が異なるため、信頼性の高いメーカーの製品を選ぶようにしましょう。
生後数週間から1年程度の間に、子犬の体は骨や筋肉、内臓が急速に成長し、免疫システムも整えられていくため、子犬用のドッグフードを与えるようにしましょう。
ドッグフードを選ぶ際には以下の点をチェックするようにしてください。
子犬は成長期に必要な筋肉や臓器を発達させるため、成犬と比べてからだの基礎となるたんぱく質は約4倍必要だといわれています。
そのため、子犬の頃に栄養価の低いフードを与え続けると栄養不足になり健やかな成長を妨げる原因になります。特にアレルギーなどない場合は、動物性タンパク質(鶏肉、牛肉、魚など)が主成分のフードを選ぶようにしましょう。
子犬は成犬と比べてエネルギー消費量が多いため、高カロリーな食事が必要です(成犬の約3倍)。また、脂肪はエネルギー源となるだけでなく、脂溶性ビタミンの吸収を助けるもあります。
成犬用フードではカロリーが不足する可能性があるため、必ず「子犬用」または「オールステージ対応」の製品を選びましょう。
骨の成長に重要なカルシウムとリンの適切なバランス(一般的には2:1)が、特に大型犬の子犬には必要です。このバランスが崩れると、骨や関節の異常を伴うリスクがあります。
大型犬の子犬には「大型犬用」と表示されたフードを選び、関節の負担を軽減する成分が含まれているもを選ぶのが理想的です。
子犬の消化器官はまだ発達途中であるため、消化しやすい成分で作られたフードが必要です。 具体的には、プレバイオティクスやプロバイオティクスを含むもの、穀物フリー(グレインフリー)の製品が適しています。
フードを変えた際には便の状態を確認し、柔らかすぎたり硬すぎたりしないか観察しましょう。
子犬の体は人工添加物に敏感な場合が多いため、着色料や保存料が少ない製品を選ぶことが推奨されます。
例えば、保存料として使われているBHAやBHTなどは避けて、ビタミンE(トコフェロール)や天然ローズマリーが使用されているものを使うと安心です。
保存料や着色料については、「ドッグフードに含まれる発がん性物質一覧」で詳しく解説しています。
犬は、自分の口に合わないドッグフードを与えると、それだけで拒食を起こすことがあります。一度拒食すると癖になり大人になっても治らないこともあり得るので、子犬の頃からベストなサイズのフードを与えることが大切になります。
小型犬ほど口が小さいのでできるだけ小さいものを与えるようにしましょう。小粒のものを与えても食べないときは、手間はかかりますがさらに砕いて与えると食べるようになることも多いです。
大型犬も同じで、粒が小さすぎると嫌がる個体もいます。メーカーによって粒の大きさは違うので、「超小粒」などあまり小さすぎるものを選ばないようにするのもポイントです。
子犬にとって大切な成分を踏まえたうえで、どういうフードを選ぶべきかのポイントをご紹介します。
成長速度や栄養の必要量は犬種やサイズによって異なります。そのため、小型犬、大型犬それぞれに適したフードを選ぶことが大切です。
小型犬は成長速度が早く、体が小さい分エネルギー消費も高い傾向にあります。そのため、高カロリーかつ小粒サイズのフードを選びましょう。
小粒サイズのフードはかみ砕きやすく、消化にも適しています。ただし、過剰に高カロリーなフードは肥満になる可能性があるため、給餌量をしっかりと守ることが大切です。
犬種:チワワ、ミニチュアダックスフンド、トイプードルなど
大型犬の子犬は成長が緩やかなので小型犬ほど高エネルギーにこだわる必要はありませんが、骨や関節に配慮した栄養が必要になります。 特に、カルシウムとリンのバランスが適切であることが求められます。
できるだけ小さいころから、グルコサミンやコンドロイチン(骨や関節を守るための成分)が含まれるものを選ぶと良いです。「小型犬用」に加えて「大型犬用」と記載しているものを選ぶと必須成分をバランスよく摂取することができます。
カルシウムも骨にとって大切な成分の一つですが、多すぎると骨の異常発育につながるため、与えすぎには注意しましょう。
犬種:ゴールデンレトリーバー、ラブラドール、ジャーマンシェパードなど
ドッグフードには大きく分けてウェットタイプとドライタイプがあります。それぞれの特徴を理解して、子犬の好みや健康状態に合わせて選びましょう。
フードは水分含有量が多く、香りが強いので子犬の食欲をそそります。
メリット:噛む力が弱い子犬や、食欲が不安定な場合に適しています。また、水分摂取を補えるため、特に暑い季節や水分摂取量が少ない子犬に最適です。
デメリット::保存性が低く、開封後は冷蔵庫で保存し、数日以内に使い切る必要があります。
ドライフードは保存が簡単で、歯の健康を維持するのに役立ちます。
メリット: 噛む力を鍛えることができ、目立たない歯垢の除去効果も期待できます。また、コストパフォーマンスが高いのも魅力です。
デメリット: ウェットフードに比べて嗜好性が低い場合があるため、食べるまでに時間がかかります。
フードの質が高くても、子犬が食べてくれなければ意味がありません。以下の点を考慮してフードを選びましょう。
新しいフードに切り替えた直後は特に、子犬の便の状態や食欲の変化を観察してください。 柔らかすぎたり、下痢をする場合はフードが合っていない可能性があります。
皮膚が赤くなったり、かゆがったりする場合は、フードに含まれる特定の成分が原因である可能性があります。その場合、獣医師に相談し、アレルギー対応フードを検討するしましょう。
子犬用として販売されているドッグフードでおすすめのものを4つご紹介します。すべて人工添加物不使用の総合栄養食です。
配合されている栄養素や粒の大きさなどまとめましたので、愛犬に合いそうなものを選んだいただければと思います。
原産国 | 容量 |
日本 | 1kg |
主原料 | サイズ |
鶏肉・馬肉・鶏レバー | 約9㎜×6㎜ |
たんぱく質 | カロリー/100g |
21.5%以上 | 352kcal |
小型犬に多い関節疾患し、関節の健康維持をサポートする成分緑イ貝を配合したドッグフード。成長期の子犬の頃から摂っておくことで将来の病気を予防できます。
また、高たんぱくでカルシウム豊富な馬肉で免疫力を向上させ、感染症や皮膚炎などにかかりにくい元気なからだをつくります。
原産国 | 容量 |
日本 | 1kg |
主原料 | サイズ |
鶏肉 | 7~8㎜ |
たんぱく質 | カロリー/100g |
20.9%以上 | 343kcal |
小型犬に多い「涙やけ」「におい」「毛並」にアプローチした小型犬用ドッグフード。毛並みや皮膚の健康を保つ鉄分やビタミンB群、不飽和脂肪酸を豊富に含む鹿肉と鶏肉レバーを使用。
バランスが摂れた栄養たっぷりのドッグフードではありますが、カロリーがやや低く、大型犬というよりは小型犬の子犬用のフードになっています。
原産国 | 容量 |
カナダ | 340g |
主原料 | サイズ |
チキン | 約7㎜ |
たんぱく質 | カロリー/100g |
33%以上 | 366kcal |
カナダ産の新鮮な鶏肉や生のカレイなど高品質な動物減量を70%、フルーツや野菜、ハーブを30%と子犬向けにバランスよく配合した全犬種用ドッグフード。
原材料は他のドッグフードに比べると非常に栄養価が高く、群を抜いて上質ですが、やや値段が高いので続けにくいというデメリットがあります。
容量は、340gの他、2kg、11.4g の3種類で展開中。公式ページでは、340gのお試しサイズから購入できます。
原産国 | 容量 |
アメリカ | 1kg |
主原料 | サイズ |
チキン | 約8㎜×5㎜ |
たんぱく質 | カロリー/100g |
30%以上 | 380kcal |
4点目は市販のドッグフードのご紹介。市販というと質が気になる方もいるかもれませんがこのニュートロシュプレモパピーは自然素材のみを使用した無添加ドッグフードであるため、安心して愛犬に与えることができます。
発育期の子犬の健やかな筋肉や骨の成長、健康な脳の発育、免疫力の健康維持に配慮。10種類以上の自然素材を使用し、最適な栄養バランスでブレンドされています。
お試しサイズとして1kgをご紹介していますが、3kg、6kg、13.5㎏の販売もあります。ペット用品店の他Amazonや楽天などでも購入できます。
子犬にドッグフードを考える際には、いくつかの注意点があります。今までお話ししたことも含めてまとめたのでもう一度チェックしていただければと思います。
まず、子犬は成長期があるため、適切な栄養バランスが必要です。 そのため、大人用のフードではなく、子犬専用のドッグフードを選びます。
特に大型犬の子犬の場合、過剰な栄養摂取は骨や関節に負担をかける可能性があるため、獣医師と相談しながら給餌量を調整すると良いでしょう。
子犬の場合、給餌回数にも配慮が必要です。 子犬は小さなお腹で一度に多くの量を食べられないため、1日3〜4回に分けて考慮のが基本です。
1日2回に移行するタイミングについては、犬種や個体差を考慮しながら決定しましょう。水分摂取が不足すると、消化不良や健康トラブルにつながることがあります。
子犬は消化器官が未発達なため、フードの保存状態や鮮度に注意が必要です。
開封後のドライフードはしっかりと密閉し、湿気や酸化を防ぐために涼しく乾燥した場所で保管します。ウェットフードの場合は開封後すぐに冷蔵庫で保存し、数日以内に使い切ることが推奨されます。
ドッグフードの切り替えは慎重に行う必要があります。 新しいフードに変更する場合、突然すべてを変えてしまうのではなく、既存のフードに少しずつ混ぜて与えることで、子犬の消化器官に負担をかけるのを防ぐことができます。
この移行期間は約1〜2週間を目安に行うと良いでしょう。
最後に、フードの選択や給餌に関して不安がある場合は、獣医師や専門家に相談することを忘れないでください。 正しいフード選びと給餌方法によって、子犬の健康な成長と幸せな生活をサポートすることができます。