犬の膀胱炎は、膀胱に炎症が起きて尿の排出が妨げられる状態です。この炎症により、腎臓から送られてきた尿を体外に排出する膀胱の機能が影響を受けます。
一般的に、メスの犬の方がオスよりも膀胱炎にかかりやすく、放置すると膀胱結石や尿路結石の合併症が生じる可能性があります。
犬の膀胱炎の一般的な症状の1つは、「頻尿で尿量が少ない」ということです。つまり、犬はおしっこをしたいと感じますが、膀胱炎の影響で思うように尿が出ないという状態です。
さらに、他の症状として、水を大量に飲むようになったり、尿の匂いが普段と異なる(特に強い)場合も膀胱炎の可能性が考えられます。
ダルメシアン、ウェルシュコーギー、ヨークシャーテリア、ビーグル、ダックスフンド、パグ、ブルドッグ、コッカ―スパニエル、ミニチュアシュナウザーなど。
尿路結石にかかりやすいのは、尿道と肛門が近いメス犬ですが、オス犬では尿道が長く、結石が詰まりやすい傾向があります。そのため、オスとメスの発症率はほぼ同等です。
結石が発症しやすい一般的な年齢は4歳以降ですが、種類によっては幼犬でも発症しやすいことがあります。
犬の膀胱炎の主な原因の一つは、尿道に細菌(ブドウ球菌)が侵入して炎症を引き起こすことです。特に、尿道が短く、おしっこをする際に地面に触れることがあるメス犬に多く見られます。
また、膀胱炎になると膀胱結石を発生しやすいとされていますが、その逆で、膀胱結石が膀胱を損傷し、膀胱炎を引き起こすこともあります。
膀胱結石が発生しやすい犬種の場合は特に、おしっこの後などに清潔を保つことが大切です。
さらに、膀胱炎は交通事故や転落などの外傷によっても引き起こされる可能性があります。
その他、ストレスや老化によって膀胱炎になることもあります。
膀胱炎はほとんどが細菌によるものであり、一般的には抗生物質を用いた治療で経過を観察します。しかし、慢性化しやすい病気でもあるため、根気よくケアを続ける必要があります。
細菌性の膀胱炎を予防するためには、日常的に清潔な飼育環境を維持することが重要です。
エサの残りや排泄物を放置しないようにし、特におしっこを我慢させないように注意してください。そのような環境下では膀胱炎のリスクが高まりますので、常に清潔を保つよう心がけましょう。
膀胱炎の場合、まず水分摂取が第一優先になります。清潔な水を十分に与えてください。食欲が低下している場合は、水分が多く含まれるウェットフードが適しています。
また、抵抗力や免疫力を高めるためにビタミンCやビタミンEを豊富に含むドッグフードを与えることで、細菌感染を予防できます。
ダルメシアン、ダックスフンド、パグなど結石にかかりやすい犬種では、結石の食事療法を徹底することが膀胱炎の予防に役立ちます。たんぱく質、リン、マグネシウムの摂取量には注意しましょう。