シニア犬は人間でいう高齢者に相当し、身体的な変化や健康問題が増えていきます。そのため、年齢に合った栄養の摂取ができるようにサポートしてあげる必要があります。
シニア専用のドッグフードはたくさんありますが、今回は、成犬用のドッグフードとの違い(シニアフードの特徴)についてお話ししていきたいと思います。
まず、シニア犬の栄養ニーズを理解することが肝要です。シニア犬は消化機能や代謝率が低下しているため、エネルギー消費量も減少します。
また、関節痛や歯周病、腎臓病などの健康問題を抱えることもあります。そのため、以下の栄養素を適切に配合したドッグフードが適しています。
シニア犬は、筋肉量が減少しタンパク質の代謝率が低下しているため、成犬の頃と同等かそれに近いタンパク質の含有量が必要です。
たんぱく質量については成犬との違いはほぼないと思って大丈夫です。
腎臓の問題を抱えている場合は、過剰なタンパク質は腎臓に負担をかけるため、適量に抑える必要があります。
優れたタンパク質源としては、鶏肉、魚、豆類などが挙げられます。また、動物性タンパク質は、アミノ酸のバランスが良く、吸収率も高いため、優れた選択肢となります。
肉や魚、豆などいろいろな食材からの摂取は栄養バランス的にとても良いですが、アレルギーを起こす可能性が少し高くなります。切り替えを行う際には少しずつ様子を見ながら行うことをおすすめします。
目安量 | 18%以上 |
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成犬とのドッグフードの違いでいちばん変えていきたいのが脂肪量です。シニア犬になっても今まで通りのドッグフードを与えていると、一番影響が出るのが脂肪による肥満です。
見た目の変化がみられなくても7歳を超えたあたりから脂肪が少ないものに切り替えてあげる必要があります。
ただし、脂肪は肌質や毛並みにとってはとても大切な成分であるため、完全に減らしてしまうと逆効果にもなります。肌がカサカサになったり毛並みが悪くなることは、脂肪が少なすぎるというサインにもなります。
脂肪は、愛犬に合った適度な量を与えることが大切です。
目安量 | 6~15% |
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年齢を重ねると、だんだんと腸の運動量が低下していき、便秘や下痢などの消化器の問題が起こりやすくなります。繊維質は腸の運動を刺激し、便の排出を促す効果があります。
繊維質の量と種類は、シニア犬の消化器官の健康に大きな影響を与えます。消化器官に負担をかけないように、繊維質の量と種類を適切に選びましょう。
穀物には食物繊維が豊富に含まれていますが、消化しにくいというデメリットもあるため、できる限り野菜や果物からの摂取をおすすめします。
繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。シニア犬には、両方の繊維質が配合されたドッグフードが適しています。
水溶性繊維 | 消化管内で水と混ざりゼリー状になるため、便を柔らかくし、便秘の改善に役立ちます。 |
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不溶性繊維 | 水に溶けないため便のかさを増やし、腸内を刺激して排便を促します。 |
目安量 | 5%以下 |
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ビタミンやミネラルには免疫力を上げる効果があります。特に、ビタミンCやEには抗酸化作用があり、老化や疾患の予防に役立ちます。
また、カルシウムやリンなどのミネラルは骨の健康維持に必要です。軟骨成分のグルコサミンやコンドロイチンとあわせて摂取することをおすすめします。
ドッグフードの栄養成分表や原材料一覧にビタミンやミネラルの表記がない場合でも、特定の食材に含まれている場合があります。
以下はドッグフードの原材料として使用されることが多い食材です。
パセリ、パプリカ、キウイ、ブロッコリー、いちごなど。
しらす、いわし、魚粉末、鮭、まぐろ、しいたけなど。
小麦、たら、鮭、かぼちゃ、ほうれん草、大豆、パセリ、モロヘイヤなど。
いわし、えんどう、大豆、昆布、わかめ、ハーブ類など。
・成犬以上にバランスの取れた栄養を与える
・病気や老化に負けないよう免疫力を高める
・胃腸に負担をかけない消化・吸収の良い食材を見極める
「シニア犬用おすすめドッグフード」では、具体的に合おすすめしたいフードを4つご紹介していますので、気になる方はぜひ見ていただければと思います。