エンドウ豆(ピース)が入ったドッグフードの安全性とは|アレルギーの心配は?

エンドウ豆(ピース)が入ったドッグフードの安全性とは|アレルギーの心配は?

数は少ないですが、ドッグフードにえんどう豆が含まれるものが存在します。えんどう豆にはどのような栄養素があるのか、また、アレルギーは起こりやすいのかまとめました。

 


ドッグフードの中でのえんどう豆の役割・栄養分

えんどう豆の栄養成分

えんどう豆は、大豆に比べてたんぱく質の量が少なく、穀物としての炭水化物の量はそれほど多くありません。しかし、どちらの栄養素も含まれているため、タンパク質と炭水化物をバランスよく摂りたいときに便利な食材です。

 

さらに、えんどう豆にはビタミン、カロテン、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれており、消化吸収も良いとされています。

 

えんどう豆の栄養成分 100gあたり
エネルギー たんぱく質 脂質 炭水化物
352kcal 22g 2.3g 60.4g

 

ビタミン、ミネラルの中では、モリブデン、パントテン酸、ビタミンB1の成分が多くなっています。これらは主に皮膚や粘膜の維持やホルモン、免疫抗体をつくる働きがあります


えんどう豆とアレルギー症状

えんどう豆のアレルギー性

一般に、犬は穀物アレルギーを起こしやすいといわれていますが、えんどう豆は穀物の中でもアレルギー性が低いため、穀物アレルギー対策のフードとしてよく使われます

 

しかし、えんどう豆たんぱく質は一部で大豆たんぱく質に対して交差反応が確認されているため、大豆たんぱく質にアレルギーがある犬には注意が必要です。

 

最初は問題なくても、食べ続けることでアレルギーを発症することもあるため、えんどう豆フードに切り替える際は少しずつ様子を見ながら行ってください。

 

犬がえんどう豆でアレルギーを起こした場合、以下のような症状が現れることがあります。

 

皮膚:かゆみ、赤み、発疹、脱毛
消化器:嘔吐、下痢、食欲不振
行動:落ち着きがなくなる、過剰に体をかく
呼吸器:まれに呼吸困難(重度の場合)

 

犬のアレルギーは個体差が大きく、えんどう豆自体が一般的なアレルゲンではないものの、反応する子もいます。症状が見られたら獣医師に相談するのが確実です。


えんどう豆は犬の心臓に悪影響を及ぼす?

えんどう豆と心臓病

えんどう豆自体が犬の心臓に直接悪影響を及ぼすという明確な証拠は現時点ではありません。

 

ただし、近年、えんどう豆やレンズ豆、マメ科植物を多く含むグレインフリー(穀物不使用)のドッグフードと、犬の拡張型心筋症(DCM)との関連が議論されています。

 

アメリカのFDAは2018年頃から、特定のグレインフリーフード(えんどう豆や豆類を高含有するもの)を食べた犬でDCMの発症が報告されたケースを調査してきました。

 

DCMは心臓の筋肉が弱まり、血液を送り出す能力が低下する病気で、特に遺伝的にリスクの低い犬種でも発生したことから注目されています。

 

ただし、以下の点が重要です。

 

①えんどう豆単体が原因と確定したわけではなく、タウリン不足や食事全体の栄養バランスが関係している可能性が指摘されている。

 

②すべての犬が影響を受けるわけではなく、個体差や食事内容に依存する。

 

少量のえんどう豆を食べる程度なら通常問題ないと考えられますが、えんどう豆を多く含むフードを長期的に与えている場合、心臓への影響を懸念するなら獣医師に相談し、適切なフード選びや健康チェックを検討するのが賢明です。


えんどう豆をトッピングする際の注意点

よくゆでられたえんどう豆

えんどう豆(グリーンピース)は、ドッグフードのトッピングとしておすすめできる食材の一つです。冷凍のものも手に入りますので、「ドッグフードに何かプラスしたい」というときにぜひ利用してみてください。

 

与える際の注意点としては、まず柔らかくなるまでゆでることが重要です。そして、できれば指で潰すか、すりつぶしてドッグフードにかけてあげてください。特に、あまり噛まずに一気に食べる犬には注意が必要です。

 

次に気を付けたいのは、えんどう豆を与えすぎないことです。えんどう豆は大豆よりカロリーが低くヘルシーですが、穀物であるため食べ過ぎるとカロリー過多になる可能性があります。愛犬の1日に必要な摂取カロリーを考慮して、適量を与えるようにしましょう。

 

また、えんどう豆は食物繊維を豊富に含んでいます。食物繊維は便秘に良いとされていますが、過剰に摂取するとお腹を壊すこともあります。

 

カロリーが低いえんどう豆は、ダイエット中の犬やシニア犬にもおすすめの食材ですので、うまく活用して健康的な犬の生活をサポートしましょう。手作りドッグフードに使用する際には、他の野菜が適切かどうかを事前にチェックすることも忘れずに行ってください。


えんどう豆を使用したおすすめドッグフード

最後に、えんどう豆を使用したおすすめのドッグフードを2点ご紹介します。

 

メディコートアレルゲンカット魚&えんどう豆蛋白

 

DHA・EPAを豊富に含む魚とフィッシュオイルを使用し、亜鉛アミノ酸複合体が配合されたドッグフード。愛犬の健康で美しい皮膚や毛づやを維持します。

 

ドクターズケアアミノプロテクトケアえんどう豆

ドクターズケアアミノプロテクトケアえんどう豆

 

 

食物アレルギーによる皮膚疾患・消化器疾患の犬の食事管理を目的に開発された療法食です。えんどう豆・アミノ酸・スターチや『加水分解』されたチキンレバー(パウダー)を原料としてアレルゲンを制限しています。