犬の健康診断で「肝臓の数値が高め」と言われると、心配になりますよね。肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれ、症状が表に出にくいからこそ、日頃のサポートが大切です。
食事療法が基本となりますが、シリマリン(マリアアザミ)やSAMe、タウリンなど肝臓を守る成分を含んだサプリメントを取り入れることで、より安心につなげられます。
この記事では、犬の肝臓に良いとされる成分やサプリの特徴をわかりやすく紹介していきます。
肝臓には慢性肝炎や脂肪肝、銅蓄積性肝炎など代表的な病気があり、症状が出にくいことから早期発見が難しいのが特徴です。
種類ごとに異なる面はありますが、共通して大切なのは肝臓への負担を減らす食事や生活管理です。また、抗酸化成分や代謝を助ける栄養素をサプリメントから補うことで、日常のケアを後押しすることもできます。
詳しい病気ごとの特徴は「犬がかかりやすい病気とごはんの工夫」の記事でも解説していますので、あわせて参考にしてください。
血液検査でALTやAST、ALPといった肝臓関連の数値が高いと指摘されると不安になりますよね。数値の上昇は肝臓に負担がかかっているサインですが、その原因や深刻度は犬によって異なります。
肝臓数値が高めでも軽度の場合は一時的な炎症や薬の影響であることもありますが、慢性肝炎や脂肪肝などの病気につながるケースもあります。
大切なのは、自己判断せず動物病院で精密な検査を受けることです。検査によって病気の有無や進行度が確認でき、そのうえで食事療法やサプリの活用を検討するのが安心につながります。
肝臓は解毒や栄養代謝を担う大切な臓器ですが、いったんダメージを受けると回復に時間がかかります。そこで注目されるのが、肝臓の働きを助けたり細胞を守ったりする栄養素です。ここでは代表的な成分とその特徴を紹介します。
シリマリンはマリアアザミというハーブに含まれる成分で、肝臓の細胞膜を守る働きが注目されています。抗酸化作用を持ち、活性酸素によるダメージを和らげると考えられています。
慢性肝炎や数値が高めの犬の補助に使われることがあり、日常のケアを後押しするサプリ成分として広く利用されています。
SAMe(S-アデノシルメチオニン)は体内で自然に作られる物質で、肝臓の解毒や抗酸化を助ける役割を持ちます。加齢や病気で減少しやすいため、サプリとして補給することで肝細胞を守り、数値の安定にもつながると期待されています。
特に老犬や慢性肝疾患のサポートに活用されるケースが増えています。
タウリンはアミノ酸の一種で、胆汁の流れをスムーズにし、肝臓への負担をやわらげる働きがあります。胆汁は脂肪の消化に欠かせないため、タウリンを補うことで消化を助け、代謝のサイクルを整えるサポートになります。
数値が気になる犬や胆嚢のトラブルがある場合にも注目される成分です。
サーモンオイルや魚油に多く含まれるオメガ3脂肪酸は、炎症を抑える作用で知られています。慢性的な炎症が続くと肝細胞にダメージが蓄積するため、オメガ3を補給することで進行をゆるやかにする助けになります。
さらに血流改善や皮膚・被毛の健康にも役立つため、幅広い効果を期待できるのが魅力です。
ビタミンEやCは強力な抗酸化作用を持ち、肝臓細胞を酸化ストレスから守る働きがあります。数値が高めの犬に取り入れることで、炎症や進行を遅らせる効果が期待されます。
また、これらは体内での合成や蓄積が十分でないため、食事やサプリで意識的に補うことが大切です。老犬の健康維持にも役立ちます。
犬は加齢とともに肝臓の解毒能力や代謝機能が衰えやすく、薬の影響や体力低下で数値が上がることも少なくありません。そのため老犬期には、日常的に肝臓を支える成分を取り入れることがより大切になります。
シニア犬ではシリマリンやSAMeといった抗酸化成分の補給が役立ち、肝細胞を守ると同時に解毒作用をサポートします。また、タウリンやオメガ3脂肪酸は胆汁の流れや炎症抑制に働き、肝臓の負担をやわらげます。
これらを上手に組み合わせることで、老犬の生活の質を維持する手助けになります。
肝臓病の管理では、まず動物病院での診断と治療が基本です。投薬や療法食によって病気の進行を抑えることが最優先であり、サプリメントはその補助として位置づけられます。
サプリメントは肝臓の数値を直接下げる薬ではなく、抗酸化や代謝サポートなど限られた役割を持ちます。特に投薬中の犬に与える場合は、成分が薬と相互作用を起こす可能性があるため、必ず獣医師に相談することが重要です。
医療とサプリを適切に併用することで、より安心して肝臓の健康を守ることができます。
ここでは肝臓数値が気になる犬や老犬のサポートに役立つ代表的なサプリを紹介します。それぞれ成分や特徴が異なるため、目的に合わせて選ぶことが大切です。
肝臓加水分解物やプラセンタ、ウコン、マリアアザミエキスなど8種類の成分を配合した複合型サプリ。国産・無添加にこだわり、日常の健康維持を目的とした設計で、肝数値が気になる犬に取り入れやすい商品です。
SAMeやマリアアザミエキス、クルクミンを配合し、肝細胞の保護や抗酸化を助けるサプリメント。動物病院でも使われることがある信頼性の高い製品で、数値が高めの犬やシニア犬に補助的に用いられます。
世界的に知られる動物用医薬品メーカー・ビルバックの肝臓ケアサプリ。シリビン‐ホスファチジルコリン複合体を採用し、肝細胞の保護と抗酸化サポートを両立しています。慢性肝炎や肝硬変の補助ケアにも活用される商品です。
SAMe、シリマリン、タウリンを組み合わせた配合設計で、肝臓全体の働きを幅広くサポート。犬猫どちらにも使用でき、解毒・抗酸化・胆汁代謝と複数の角度からアプローチできる点が特徴です。
アミノ酸の一種であるタウリンをピュアパウダーで補える商品。胆汁代謝や肝臓の解毒機能を助ける働きがあり、普段のフードに混ぜるだけで摂取できるため扱いやすいのが魅力です。
青魚由来のDHAを配合し、肝臓における炎症抑制をサポート。オメガ3脂肪酸の一種として血流改善や皮膚・被毛ケアにも役立ち、肝臓の健康維持とあわせて全身のサポートが期待できます。
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効果はどのくらいで実感できますか?
サプリメントは薬ではないため、すぐに数値が改善するものではありません。数週間から数か月かけて、体調や食欲、元気さの変化を見守るのが一般的です。必ず獣医師の診断と並行して利用しましょう。
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人間用サプリを犬に与えてもいいですか?
人間用は犬に安全性が確認されていない成分や量が含まれることがあり危険です。必ず犬用に設計されたサプリメントを選びましょう。特に肝臓ケアは成分量の差が大きいため注意が必要です。
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サプリだけで肝臓数値は下がりますか?
サプリは補助的な役割にすぎず、単独で肝臓数値を下げる効果は期待できません。投薬や療法食と組み合わせ、生活習慣も含めて総合的にケアすることが重要です。
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療法食と併用しても大丈夫ですか?
基本的には可能ですが、成分によっては療法食との重複が起こる場合もあります。過剰摂取や相互作用のリスクを避けるためにも、必ずかかりつけの獣医師に相談してから取り入れるようにしましょう。
肝臓病は症状が目立ちにくく、数値の変化で初めて気づくことも多い病気です。食事や生活習慣の改善に加えて、抗酸化成分や代謝を助ける栄養素を補えるサプリを取り入れることで、日常的なケアを後押しできます。
ただしサプリはあくまで補助的な存在であり、数値を直接下げる薬ではありません。自己判断で与えるのではなく、必ず獣医師の診断を受けたうえで、療法食や治療とあわせて取り入れることが安心につながります。
愛犬の年齢や体調に合わせて上手に活用し、肝臓の健康維持を長くサポートしていきましょう。