
動物病院で「てんかん」と診断され、突然の発作に不安な日々を過ごされている飼い主さんは少なくありません。
お薬での治療はもちろん大切ですが、実は毎日の「食事」を見直すことが、愛犬の穏やかな生活を支える大きな助けになることをご存知でしょうか。
最近の研究では、特定の栄養素が脳のエネルギー源をサポートし、発作の管理にポジティブな影響を与えることがわかってきました。
本記事では、てんかんの愛犬が「避けるべき食べ物」の注意点から、いま注目されているMCTオイル(中鎖脂肪酸)を配合したフードの選び方まで、飼い主さんが今日から実践できる食事療法のポイントを分かりやすく解説します。
愛犬が少しでもストレスなく、健やかに過ごせるための一皿を一緒に見つけていきましょう。
てんかんの食事管理で大切なのは、脳を過剰に刺激する可能性があるものを避け、血糖値を安定させることです。まずは日々の食事やおやつで注意すべきポイントを確認しましょう。
特定の成分が直接発作を引き起こすと断定されているわけではありませんが、てんかんを抱える愛犬には、できるだけ刺激の少ないシンプルな食事が推奨されます。
過剰な塩分(ナトリウム): 血圧の変動や電解質のバランスに影響を与え、脳への刺激となる可能性があります。
人工添加物: 着色料や香料、保存料(BHA、BHTなど)は、体質によって神経系に影響を与える懸念があるため、できるだけ無添加のものを選びましょう。
キシリトール: 急激な血糖値の低下(低血糖)を招き、それが引き金となって発作が起きるリスクがあります。
てんかん特有の注意点だけでなく、犬にとって一般的に危険な食材も再確認しておきましょう。
➡ 犬に与えてはいけない人間の食べ物一覧
空腹時間が長くなり、血糖値が下がりすぎることも発作を誘発する一因となります。
「小分け」にして与える: 1日の給餌量は変えずに、回数を3〜4回に増やすことで血糖値の急激な変化を抑えられます。
寝る前の軽食: 夜間の長い絶食時間を避けるため、寝る前に少量のフードを与えることも有効な対策です。
空腹による低血糖が発作の引き金になるケースもあります。特に食欲が落ちている時は注意が必要です。
➡ 犬の低血糖を防ぐ食事管理とドッグフード
発作の後や薬の副作用で、一時的に食欲が落ちることがあります。無理に食べさせるのではなく、以下の点をチェックしてください。
・口の中や喉の違和感: 発作時に舌を噛んでいないか、口内炎などがないか確認します。
・フードの形状: 薬の副作用で飲み込む力が弱くなっている場合は、ふやかして与えるなどの工夫が必要です。
てんかんの食事管理において、近年非常に注目されているのが「中鎖脂肪酸(MCT)」です。
通常、脳は「ブドウ糖」を主なエネルギー源としていますが、てんかんを抱える愛犬の脳では、このブドウ糖をうまく利用できないケースがあると考えられています。
そこで役立つのがMCTオイルです。
効率的なエネルギー源: MCTは肝臓ですばやく「ケトン体」に変換され、ブドウ糖に代わる脳の第2のエネルギー源として働きます。
神経の安定: ケトン体が脳に供給されることで、神経細胞の活動を穏やかにサポートする効果が期待されています。
MCTオイルは一般的な油よりも吸収が早いため、毎日の食事でバランスよく取り入れることが重要です。
専用フードの活用: すでに適切な比率でMCTが配合されている療法食なら、計算の手間がなく安心です。
サプリメントでの補完: 今のフードを変えたくない場合は、MCTオイル(パウダー)をトッピングする方法もあります。
既存の「てんかんにおすすめのドッグフード」記事から、特に評価の高い4つを厳選して紹介します。愛犬のステージや好みに合わせて選んでみてください。

魚を主原料にしており、DHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸をしっかり摂れるのが魅力です。神経や脳の健康維持に役立ち、皮膚や被毛のサポートにもつながります。グレインフリータイプもあり、アレルギーが気になる子にも安心して選びやすいフードです。

プレミアムフードの中でも人気が高く、サーモン由来のオメガ3をバランスよく摂れるのが特徴です。無添加・ヒューマングレードの原材料で作られているため、長期的に安心して与えられるのも魅力です。
栄養面に配慮しつつ、毎日の食事をおいしく楽しめる点も大きなメリットです。食欲がない状態が続いている愛犬にもおすすめです。

消化器への負担を減らすように設計された療法食で、脂肪を抑えつつ必要な栄養をバランスよく摂れるのが特徴です。低脂肪設計の中にMCTオイルも含まれており、脳のエネルギー補給をサポートします。
体重管理や消化トラブルが気になる犬にも適しており、てんかんを抱える子の健康維持にも取り入れやすいフードです。
シニア期の小型犬向けに設計された総合栄養食で、中鎖脂肪酸(MCT)が含まれているのが特徴です。脳のエネルギー源として利用されやすく、シニア犬の活発さや認知機能を支える働きが期待できます。
消化吸収にも配慮されており、てんかんを抱える高齢犬の健康維持にも取り入れやすいフードです。
食事管理とあわせて、発作が起きた際の正しい対応を知っておくことが、飼い主さんと愛犬の安心に繋がります。
・落ち着いて見守る: 発作中は愛犬に意識がありません。名前を叫んだり体を揺すったりせず、静かに見守ってください。
・口の中に手を入れない: 舌を噛む心配はありません。無理に手を入れると、飼い主さんが大怪我をする恐れがあり危険です。
・周囲の安全を確保する: 家具の角にぶつからないようクッションを置くなど、怪我を防ぐ環境を整えます。
・発作の記録をつける: 「いつ、何分間、どのような様子だったか」を動画やメモで記録しておくと、診察がスムーズになります。
・食事の変化を共有する: 療法食やサプリメントを始めた場合は、その種類や愛犬の様子を必ず先生に伝えてください。
犬のてんかんにおいて、食事管理は生活の質(QOL)を支える大切な要素です。
・避けたい食べ物を意識し、脳への過剰な刺激を減らす
・MCTオイルなどの栄養素を味方につけ、脳のエネルギーを補う
・食事の回数を工夫し、低血糖による発作リスクを抑える
最近では「手作りごはん」に挑戦したいという飼い主さんも増えていますが、てんかんケアに必要な栄養バランスを家庭で完璧に管理するのは非常に難易度が高いのが現状です。
まずは信頼できる療法食をベースにし、手作りを取り入れる際は必ずかかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。
特定の犬種では、より細やかな体調観察と食事のケアが推奨される場合があります。
➡ シェルティの健康管理と食事のポイント
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こんにちは、愛犬ごはんノート編集部 minamiです。現在は柴犬のムギ(9歳)とザネ(7歳)と暮らしています。
ムギは子犬の頃から皮膚が弱くアレルギー性皮膚炎があり、ザネは内臓が少し繊細。日々の食事が体調に大きく影響するので、これまで20種類以上のドッグフードを試してきました。
成分や原材料について調べるのが趣味のようになり、自分なりに学んだことや、実際に愛犬に与えてきたフードの体験談をこのサイトでご紹介しています。
愛犬の健康に不安がある方や、どのフードを選べばいいか悩んでいる方にとって、少しでもヒントになればうれしいです。
運営者名:愛犬ごはんノート編集部 minami
愛犬の食事管理歴15年以上、20種以上のフード比較経験。
参照・取材方針:公的機関・学術資料を一次情報として優先し、体験談とは区別して解説します。
本記事は一般的情報であり、診断・治療の代替ではありません。医療判断は獣医師へ。