シーズーはその穏やかで愛嬌のある性格、ふさふさの被毛、そしてコンパクトな体型で世界中の愛犬家に親しまれている犬種です。古代中国から続く長い歴史を持ち、飼い主に寄り添う優しい性格が特徴です。
この記事では、そんなシーズーの魅力に加え、健康を支えるおすすめドッグフードやしつけのポイントなどを詳しく解説します。
シーズーはどんな犬種か、その見た目や体の特徴を知ることで、適切なお世話やしつけがしやすくなります。まずはシーズーの基本情報から見ていきましょう。
小柄ながらもどっしりとした体つきを持ち、豊かな被毛が全身を包み込むように覆っているのがシーズーの特徴です。顔は丸く、鼻が短く大きな目が印象的で、見た目の愛らしさはもちろん、どこか気品も漂わせます。
また、被毛のカラーは多彩で、ホワイト、ブラウン、ブラック、ゴールドなどさまざまな組み合わせが楽しめます。
シーズーは小型犬に分類され、成犬の体重は約4~7kg、体高は約20~27cmです。コンパクトな体つきですが骨格はしっかりしており、筋肉質な体を保ちやすいのが特徴です。
平均寿命は12〜15歳と長めで、適切なケアと食事管理を行えば、シニア期まで元気に過ごすことができます。
ふさふさとした被毛と愛くるしい顔立ちは、シーズーの最大のチャームポイントです。被毛はダブルコートで、長く柔らかい毛が特徴。
定期的なブラッシングとトリミングが必要ですが、その手間も楽しみに変えられるほど見た目の美しさに惹かれる飼い主も多いです。まるでぬいぐるみのような姿は、多くの人を虜にしています。
長い歴史をもつシーズーは、古代中国の王族に愛されてきた特別な存在です。その起源やヨーロッパでの広まりを知ることで、シーズーの魅力がより深く理解できます。
シーズーは古代中国の宮廷で「獅子狗(シーズー・コウ)」と呼ばれ、ラサ・アプソとペキニーズの交配によって誕生したとされます。
明王朝や清王朝の皇族に重用され、豪華な装飾や衣装と共に生活を送っていた歴史があり、まさに“王族の犬”として知られていました。
20世紀初頭、シーズーは外交官や旅行者によってヨーロッパに渡りました。特にイギリスでは王族や上流階級に愛され、ショードッグとしての評価も高まりました。
その後アメリカや日本など世界各国に広まり、現在では家庭犬としての地位を確立しています。近年ではドッグショーの常連でもあり、被毛の美しさや穏やかな性格に魅了されるファンも増加しています。
血統管理や愛護意識の向上により、健康面への配慮も進んでいます。こうした背景は、今のシーズーが「育てやすい小型犬」として広く知られる土台となっています。
飼いやすさで定評のあるシーズーの性格と、飼い主さんにとって重要なしつけのポイントを紹介します。
シーズーは穏やかで感受性豊か、人とのつながりを大切にする犬種です。人見知りせず、初対面の人や他の犬とも比較的すぐに打ち解ける性格を持っています。
そのため多頭飼いや小さな子どもがいる家庭でも育てやすく、社交性に富んだ良き家族の一員になってくれる存在です。反面、独立心が強くマイペースなところもあり、甘える一方で自分の世界を大切にする自由さも持っています。
気まぐれな性格が出ることもあるため、飼い主との信頼関係をしっかり築くことが大切です。
シーズーは賢く飲み込みが早いため、しつけは比較的スムーズに進みます。ただし、気まぐれな一面もあり、根気よく繰り返し教えることが重要です。
褒められることが大好きなので、しつけの際には叱るよりもご褒美や声掛けで成功体験を積ませる方法が有効です。また、吠え癖を防ぐために、早い段階から音や環境への慣らしも行いましょう。
シーズーは体の特徴や遺伝的な要因からいくつかの病気にかかりやすい傾向があります。かかりやすい病気と、その症状、予防方法について解説します。
シーズーの大きく丸い目はとても魅力的ですが、同時に角膜が傷つきやすく、角膜潰瘍にかかりやすい特徴もあわせもちます。。
原因は、物理的な衝撃や異物の混入、乾燥など様々です。散歩の際には草や枝に目が接触しないように注意しましょう。
シーズーは、目が潤みやすく、涙やけが発生しやすい犬種です。 涙やけとは、目の下に涙の跡が残り、茶色く変色する症状のことで、見た目の影響だけでなく、皮膚のただれや炎症を起こすこともあります。
涙やけの原因はフードとの相性も大きく関係していることがあります。より具体的な対策を知りたい方は、涙やけ対策におすすめのドッグフード3選もチェックしてみてください。
涙の原因は様々ですが、アレルギーや眼病、目の構造の影響も考えられます。 日々のケアとしては、柔らかいガーゼで目の下を優しく拭いてあげることが基本になります。
涙が止まらないようなひどい場合には、涙やけ用の専用サプリメントや、涙の過剰分泌を抑えるための対策が必要になることもあります。
シーズーは短い鼻を持っているため、呼吸器の病気になりやすく、特に気管虚脱が発生しやすい傾向があります。呼吸がゼーゼーと荒くなり、興奮時や運動中に呼吸困難に陥ることもあります。
また、暑さや湿度が高い環境での過ごし方にも注意が必要で、特に夏場はエアコンで涼しい環境を整え、散歩中に呼吸が荒かったり苦しそうなときはすぐに休ませて、症状が見られる場合には獣医師の診察を受けましょう。
シーズーは筋肉質で体がしっかりしているため、腰や背中に負担がかかりやすく、椎間板ヘルニアを発症しやすいです。 椎間板ヘルニアは、椎間板が変形して神経を圧迫し、痛みや麻痺を考える病気で、進むと歩行が難しくなる場合もあります。
シーズーには、過度なジャンプや階段の昇り降りは避け、腰に負担をかけない生活環境を提供することが重要です。肥満が進むと腰への負荷が増加するため、正しい運動と食事管理を徹底しましょう。
シーズーは皮膚がデリケートで、アレルギーや皮膚炎になりやすい犬種でもあります。 特に食物アレルギーや環境アレルギーが原因で、かゆみや赤みが生じることが多いです。
皮膚炎が起こると掻きむしったりして、皮膚の状態が悪化する恐れがあります。 日々のケアとして、定期的にシャンプーやブラッシングを行い、皮膚の状態を確認することが大切です。
アレルギーが疑われる場合には食事の見直しや、生活環境の改善が求められます。必要に応じて動物病院でのアレルギーテストを受け、正しいケア方法を選択していきましょう。
シーズーの耳は垂れた形状をしているため、清潔度を維持しにくく、外耳炎にかかりやすくなります。
外耳炎になると耳の中に細菌や真菌が繁殖しやすくなるため、定期的な耳掃除を行うようにしましょう。犬用の専用の液体を使うと効果的です。
耳の中が湿っていたり、異臭がしたりする場合にはすぐに獣医で診てもらいましょう。
シーズー犬は口が小さく、歯が密集しているため歯石が増えやすく、歯周病になりやすいです。 歯周病は歯の根元に炎症が起きる病気です。放置すると歯が抜けたり、体内に細菌が繁殖したりします。
予防には、日々の歯磨きを習慣にすることが大切です。 歯磨きが難しい場合は歯磨きガムを活用し、口腔内の健康を保つようにしましょう。獣医師の定期的な歯石除去も、歯周病予防に役立ちます。
以上のように、シーズー犬にはいくつかの病気リスクがあるものの、日々のケアや環境管理によって予防ができる病気もたくさんあります。日々を楽しくサポートしていきましょう。
シー・ズーのドッグフード選びのポイントとおすすめドッグフードを4つご紹介します。
シーズーは、目や皮膚、呼吸器、消化器などにトラブルが出やすい犬種ですので、栄養バランスや成分を考慮してしたフード選びが大切になります。
シーズーは目が大きくて繊細なため、角膜潰瘍や涙やけのリスクが高いです。そのため、目の健康に良い成分を含むドッグフードが適しています。
例えば、ビタミンAやオメガ3脂肪酸(DHAやEPA)は、目の粘膜を保護し潤いを与えて働きます。サーモンやフィッシュオイルが配合されたフード、ビタミン類が強化されたフードなどがおすすめです。
シーズーは皮膚が敏感でアレルギーや皮膚炎になりやすいため、低アレルゲンの原材料を使ったフードが最適です。
特にグレインフリー(穀物不使用)やナチュラル成分のフード、アレルギーの少ないタンパク質(ラム肉やカンガルー)また、オメガ6脂肪酸(リノール酸)や亜鉛は皮膚の健康を守るために役立ちます。
シーズーは短頭種であるため、呼吸器の負担が増しやすく、気管虚脱のリスクがあります。 太りすぎると呼吸がしづらくなるため、体重管理が非常に重要です。
低カロリーで高タンパク質のフードは筋肉を維持しつつ体重管理がしやすいため、呼吸器の負担を軽減します。 さらに、L-カルニチンを含むフードは脂肪代謝を促進し、適切な体重をサポートします。
シーズーは腰関節やにも負担がかかりやすいため、椎間板ヘルニアの予防には関節サポート成分が入ったフードが適しています。
グルコサミンやコンドロイチンは関節の柔軟性や骨の健康を維持する働きがあるため、関節への負担軽減に役立ちます。骨や関節への負担を減らすためにも、体重管理は重要です。
歯が密集しているシーズーは歯石がつきやすく、歯周病のリスクが高いです。 ドライタイプのフードや、噛むことで歯石を中心に効果があるドッグフードを選ぶと良いでしょう。
ポリフェノールを含むフードは、口腔内の健康を維持し、歯周病予防に役立ちます。
グレート・ピレニーズの特徴やかかりやすい病気を考慮したおすすめのドッグフードを4つご紹介します。
好き嫌いが多い小型犬のために、第一主原料にチキン(肉)を使用し、小さい口・顎に合わせた独自の小粒設計とともに、抜群のおいしさを実現したドッグフードです。
シーズーの中には、食べ物によってお腹が緩くなる子もいます。そんな愛犬には【おなかが弱い犬向けのフード特集】をご覧ください。
シーズーに関する飼い主さんから寄せられる質問の中でも特に多いものをピックアップし、丁寧にお答えします。
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シーズーにおやつはどのくらいあげていいの?
1日の総カロリーの10%以内が目安です。肥満になりやすいため、与えすぎないように注意し、低カロリー・無添加のものを選びましょう。
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シーズーの涙やけ対策におすすめの成分は?
ビタミンAやルテイン、DHAなど、目の健康をサポートする栄養素が効果的です。抗酸化作用のある食材を取り入れたドッグフードがおすすめです。
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子犬と成犬でフードは変えたほうがいい?
はい。成長期には高たんぱく・高エネルギーのフード、成犬期には体重管理や内臓ケアを意識したフードを選ぶことで健康維持につながります。
シーズーは、穏やかな性格と愛らしい見た目で、家族に寄り添う最高のパートナーとなる犬種です。その反面、目や皮膚、関節、呼吸器などにトラブルが起こりやすいため、日々のケアと体質に合ったフード選びが欠かせません。
しつけでは、優しく根気よく接することが信頼関係のカギになります。
正しい知識と愛情をもって接することで、シーズーとの暮らしはより豊かで幸せなものになるでしょう。