犬に寄生するノミやマダニは、単なる皮膚のかゆみだけでなく、命に関わる感染症を引き起こすことがあります。散歩や庭遊びで自然に触れる機会がある犬は、季節を問わず注意が必要です。
本記事では、ノミ・マダニ感染症の症状や予防法、飼い主が押さえておくべきポイントを詳しくご紹介します。
ノミやマダニは、犬の健康を脅かす寄生虫です。皮膚トラブルだけでなく、命に関わる感染症を媒介するため、基礎知識を理解しておくことが大切です。
ノミは体長2mmほどの小さな寄生虫で、犬の皮膚に潜り込み血を吸います。室内でも繁殖しやすく、一度発生すると駆除が難しいのが特徴です。
マダニは草むらなどに潜み、犬の皮膚に噛みつき長時間吸血します。春から秋に多く見られますが、暖房のある環境では冬でも油断できません。どちらもかゆみだけでなく病気を媒介するため注意が必要です。
ノミが原因で起こる代表的な病気にノミアレルギー性皮膚炎があり、激しいかゆみや脱毛を引き起こします。マダニが媒介するバベシア症は、赤血球を破壊して貧血や発熱をもたらす命に関わる感染症です。
さらに、人にも感染するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)は日本でも発症例が報告されており、犬と人双方にとって大きな脅威となっています。
ノミやマダニが寄生すると、初期段階からさまざまな異変が現れます。軽いかゆみでも放置すると命に関わる深刻な症状へ進行する可能性があるため、早期発見が大切です。
ノミやマダニが寄生した初期には、かゆみや赤み、脱毛などの皮膚トラブルが見られます。犬が頻繁に体をかく、噛む、床にこすりつける行動を取る場合は注意が必要です。
掻き壊した皮膚から二次感染を起こすこともあり、悪化すると膿皮症や慢性的な皮膚炎につながることがあります。異常な行動や皮膚の変化に気づいたら、早めに対処しましょう。
寄生虫が媒介する感染症にかかると、発熱、元気消失、食欲不振、貧血などの全身症状が現れます。特にバベシア症では赤血球が破壊され、命に関わる重度の貧血を引き起こします。
ぐったりして動かない、歯茎が白い、呼吸が早いといった状態は緊急事態で、直ちに動物病院での治療が必要です。
ノミやマダニの感染を防ぐには、日常のケアと予防薬の継続使用が欠かせません。発生してからの駆除は困難なため、事前に予防しておくことが最も重要です。
ノミやマダニは春から秋だけでなく、室内では一年を通して活動します。暖房の効いた部屋では冬でも繁殖できるため、「寒い季節だから大丈夫」と油断すると、再び大量発生する危険があります。
季節に関係なく継続的に予防を行うことで、愛犬の健康と家族の安全を守ることにつながります。
予防薬には首筋に垂らすスポットタイプ、食べさせる内服タイプ、装着して効果を持続させる首輪タイプがあります。
それぞれ効果の持続期間、使いやすさ、副作用の可能性が異なるため、犬の体質や年齢、生活環境に合わせた選択が必要です。必ず動物病院で相談し、指示された用量と使用方法を守ることが安全な予防につながります。
散歩後は犬の体全体を手でなぞるようにチェックし、耳の中、目の周り、首回り、足の付け根、指の間など寄生しやすい部位を重点的に確認します。
室内でも清潔を保つことが重要で、寝具やおもちゃの洗濯、カーペットやソファの掃除を定期的に行うことで、寄生虫の発生を未然に防ぐことができます。
予防薬の安全な使用や、人への感染リスクを正しく理解することが、愛犬と家族を守るうえで欠かせません。
予防薬は体質や体重に合ったものを選ばなければ、かゆみや嘔吐、下痢などの副作用が出ることがあります。特に子犬やシニア犬、持病のある犬は注意が必要です。
投与前に動物病院で健康状態を確認し、使用後は異常がないか観察しましょう。万一の副作用はすぐに獣医へ相談することが大切です。
マダニが媒介するSFTSやライム病などは、人にも感染し命を脅かすことがあります。犬を介して家族が感染する例もあるため、散歩後のチェックや定期的な予防薬の使用は家族全員の健康を守る行動です。
屋外活動時は長袖や虫よけを活用し、犬と人の両方で予防を徹底しましょう。
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ノミやマダニを見つけたらすぐ動物病院に行くべきですか?
はい、早めの受診が重要です。自己処理で取り残すと感染症や炎症が悪化する恐れがあります。特にマダニは無理に引き抜くと危険なので、必ず獣医師に処置を依頼しましょう。
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室内飼いの犬でも予防は必要ですか?
必要です。ノミやマダニは人や他の動物を介して室内に持ち込まれることがあるため、完全な室内飼育でも予防は必須です。定期的な薬剤使用と環境管理が予防の基本になります。
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天然成分の首輪だけで十分ですか?
いいえ、不十分です。天然成分だけでは効果が弱く、完全な寄生防止にはなりません。必ず動物病院で推奨される予防薬と併用し、確実な防御を行うことが大切です。
ノミやマダニは、かゆみだけでなく命に関わる感染症を引き起こす危険な寄生虫です。発見後の駆除は困難なため、日常的な予防が最も効果的な対策となります。
通年での予防薬使用、散歩後の体チェック、室内の衛生管理を徹底し、愛犬の体調変化に早く気付けるよう心がけましょう。予防は愛犬を守るだけでなく、人への感染防止にもつながります。
毎日の小さなケアが、家族全員の健康を守る大きな力になります。