犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)とは、後ろ足の膝のお皿部分である膝蓋骨が内側に脱臼する状態のことをいいます。
今回はパテラの症状や原因、手術費用についてご紹介していきたいと思います。
初期段階では目立った変化は見られませんが、症状が進行すると、散歩中に座り込む回数が増えたり、歩行に変化が現れたりします。
この症状は、特にチワワ、トイプードル、ポメラニアン、ヨークシャーテリア、マルチーズなどの小型犬に多く見られます。原因としては、先天的なものに加え、落下や打撲などの外傷を指します。
小型犬は骨が細く、ちょっとした細さで脱臼しやすいため、イスやテーブルからの落下に注意が必要です。フローリングの上からマットやじゅたんを敷くことで予防できます。
膝蓋骨脱臼はその進行度でグレード1~4に分類されます。グレード1の場合は飼い主でも気づかないことが多いといわれています。
グレード1 | 押すと簡単に脱臼するがすぐに戻る |
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グレード2 | 膝が屈曲する |
グレード3 | 常に脱臼している状態だが押すと戻る(離すと再脱臼) |
グレード4 | 常に脱臼している状態で正しい位置に戻すことができない |
パテラ(膝蓋骨脱臼)は、グレード3以上になると手術が必要ですが、2歳以下の犬や進行の可能性がある場合には、グレード2でも手術が推奨されることがあります。
手術方法には、滑車溝形成術、内側大腿膝蓋筋膜の開放、外側関節包縫縮術、脛骨粗面転移術などがあり、症状や年齢によってどの方法を選択するか飼い主との相談によって決めていくことになります。
費用については、3歳くらいまでの小型犬(片方の足のみ)で、手術費、入院費、麻酔費、点滴費などを含めて、総額で200,000~300,000円程度が相場です。
ただし、犬の年齢、体重、症状、また病院によって費用は変わるため、具体的な金額は診察を受けてから確定します。
膝蓋骨脱臼を起こしているワンちゃんには、脱臼による痛みを和らげるグルコサミン・コンドロイチン配合のドッグフードがおすすめです。
グルコサミンとコンドロイチンは、関節炎の予防にも効果が期待できる成分です。これらは年齢とともに減少するため、7歳以上のワンちゃんには積極的に摂取させたい成分でもあります。
また、ドッグフードとは別にサプリメントも販売されているので、現在のドッグフードを変えたくない場合に便利です。
膝蓋骨脱臼の症状がある犬用のサポーターが販売されています。フィット感が重要になるのでサイズはできる限り近いものを選ぶようにしてください。
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滑り止めとして役立つ肉球パットの使用もおすすめです。