ドッグフードに使用される成分のうち、発がん性が疑われるものや研究結果で問題視されている成分のまとめです。
賛否両論あるものも含まれますが、注意が必要な成分として挙げています。「与えてはいけないもの」と「継続的に与えてはいけないもの」に分けて特徴をご紹介します。
まずは、ペットフード安全法における成分規格表一覧です。下に含まれるものが成分表に含まれていたら注意が必要です。
ペットフード安全法における成分規格表
(スマホの場合は横スクロールで全体を確認できます)
成分等 | 定める量(μg/g) | |
---|---|---|
添加物 | エトキシキン・BHA・BHT |
合計量150以下 |
亜硝酸ナトリウム | 100 | |
農薬 殺虫剤 |
グリホサート | 15 |
クロルピリホスメチル | 10 | |
ピリミホスメチル | 2 | |
マラチオン | 10 | |
メタミドホス | 0.2 | |
汚染物質 | アフラトキシンB1 | 0.02 |
デオキシニバレノール | 2 | |
カドミウム | 1 | |
鉛 | 3 | |
砒素 | 15 | |
BHC | 0.01 | |
DDT | 0.1 | |
アルドリン・ディルドリン | 0.01 | |
エンドリン | 0.01 | |
へプタクロル |
0.01 | |
その他 | メラミン | 2.5 |
発がん性がある成分をご紹介します。これらの成分には、数回の摂取で嘔吐や下痢の症状を引き起こす可能性があります。
原材料として使用されることはありませんが、原材料の栽培過程や調理方法の不備などでドッグフードに含まれてしまうことがあります。(そのため、パッケージには表示されることはありません。)
すべてとは言いませんが安価なドッグフードに含まれることがあるので、食後に急な体調不良が現れる場合は、ドッグフードの切り替えを検討することをおすすめします。
グリホサートは、穀物などの生産効率を向上させるための除草剤として使用されます。農薬の使用により、作物に残留することがあります。
2015年にWHOの専門機関であるIARCは、グリホサートを「発がん性が疑われる成分」の2番目にリスクの高いグループに分類し、その発表は話題となりました。
アフラトキシンB1は、カビの一種であるアスペルギルス・フラヴスによって生成される有毒な化合物です。
主に穀物やナッツなどで繁殖しやすく、高温に対して比較的安定的であり、通常の調理や加熱処理では完全に分解されない特徴があります。
動物実験により、その毒性が示され、肝臓がんを引き起こすことが明らかになっています。
これらの成分を摂取した場合、直ちに健康に害を及ぼすというものではありませんが、長期間摂取し続けることで発がん性のリスクが高まる可能性があります。
以下で紹介する成分は、一部のプレミアムドッグフードにも含まれています。
エトキシキン、BHA、BHTといった酸化防止剤は、安価なうえに製品を長期間酸化させずに保存できるため、今でも多くのドッグフードに使用されています。(人間用の食品には使われていません。)
これらの成分には発がん性だけでなく、アレルギー反応や皮膚トラブル、主要器官の機能不全、異常行動などのリスクが伴うことが分かっています。
・ブチルヒドロキシアニソール(BHA)
この物質は食品添加物として使用され、食品の酸化を防ぐために広く使われていますが、動物実験では発がん性の可能性が示唆されています。
・ブチルヒドロキシトルエン(BHT)
BHAと同様に、食品の酸化を防ぐための添加物として使用されます。一部の研究では、大量に摂取すると発がん性の可能性があると示唆されています。
・エトキシキン
油脂や脂肪を酸化から保護する目的で食品やペットフードに添加され、高用量での摂取が発がん性のリスクを引き起こす可能性があるとされています。
亜硝酸ナトリウムは、肉に鮮やかな赤色を付け、ドッグフードを美味しそうに見せるための添加物です。
肉や魚に含まれるアミンと化学反応を起こし、発がん性の強いニトロソアミンを生成することが分かっており、2015年2月20日に「ペットフード安全法における成分規格表」に追加されました。この成分は、人間が摂取するハムやソーセージにも添加されています。
ソルビン酸カリウムは犬の体内で代謝される際に、有害な代謝物質を生成することが知られています。これらの代謝物質が体内に蓄積することで、健康への悪影響が引き起こされる可能性があります
また、微生物の成長を抑制する効果がありますが、これにより腸内の有益な細菌にも影響を与える可能性があります。
さらに、亜硝酸カリウムと一緒に摂取することで発がん性のリスクが増大する可能性があります。
GMOは農作物に対して一般的に使用されていますが、安全性に関する議論が続いています。一部の人々は、遺伝子組み換えされた食品が発がん性を引き起こす可能性があると懸念しています。
農薬は作物の生産に使用され、農作物が食品や動物の餌として使用されると、その農薬の残留物が動物の体内に入り込む可能性があります。一部の農薬(有機リン系農薬やピレスロイド系農薬など)は発がん性が疑われています。
ビスフェノールA(BPA)という化学物質が一部の缶詰や包装材料に含まれており、ドッグフードの包装材料として使用されることがあります。
神経や行動への影響、乳腺や前立腺への影響が報告されていますが、大量に体内に入り込まない限り今の時点では問題ないとされています。