
ドッグフードについて調べていると、「発がん性物質」「危険な添加物」といった言葉を目にして、不安になることもあるのではないでしょうか。
BHA・BHT・エトキシキンなど、発がん性との関係が研究されてきた成分があるのは事実です。一方で、市販されているドッグフードすべてに発がん性がある、特定の成分が入っているだけで危険というわけではありません。
日本ではペットフード安全法によって、一部の添加物や農薬、汚染物質などに含有量の上限が設けられています。
この記事では、ドッグフードの発がん性が気になる方に向けて、注意したい成分と安全基準、成分表示の見方、安全性に配慮したフードの選び方をわかりやすく解説します。
「ドッグフードには発がん性がある」と一括りに考えるのは正確ではありません。ドッグフードに使われる成分や原料に含まれる可能性のある物質の中には、発がん性について研究されているものがありますが、成分の存在と実際の健康リスクは分けて考える必要があります。
日本国内で販売される犬・猫用ペットフードにはペットフード安全法に基づく基準があり、BHA・BHT・エトキシキンなどの添加物、グリホサートなどの農薬、アフラトキシンB1などの汚染物質には含有量の上限が定められています。
そのため、「この成分が入っているから発がん性がある」と単純に判断するよりも、どのような成分なのか、どの程度まで認められているのか、メーカーがどのように品質を管理しているのかを確認することが大切です。

ドッグフードの安全性を考えるうえで、名前を知っておきたい成分はいくつかあります。なかには安全確保のため、法律によって含有量が定められているものもあります。
代表的な基準は次のとおりです。
| 成分 | 分類 | 上限値 |
|---|---|---|
|
エトキシキン |
添加物 | 合計150μg/g |
| エトキシキン(犬用) | 添加物 | 75μg/g |
| 亜硝酸ナトリウム | 添加物 | 100μg/g |
| グリホサート | 農薬 | 15μg/g |
| アフラトキシンB1 | 汚染物質 | 0.02μg/g |
BHA・BHT・エトキシキンは、油脂の酸化を防ぐ目的で使われることがある酸化防止剤です。日本のペットフード安全法では3成分の合計量を150μg/g以下とし、犬用ではエトキシキン単体を75μg/g以下と定めています。
IARCではBHAはグループ2B、BHTはグループ3に分類されていますが、分類の意味は同じではありません。「名前がある=危険」と一括りにせず、基準と使用量を踏まえて見ることが大切です。
アフラトキシンB1は、穀類などに生えるカビが作り出すカビ毒の一種で、ペットフードでは0.02μg/g以下という成分規格が設けられています。
添加物のように品質維持のため意図的に加えるものではなく、原料などから意図せず混入する可能性がある「汚染物質」です。環境省もアフラトキシンB1について発がん性のある物質として説明しています。
飼い主が原材料表示だけで有無を判断するのは難しいため、原料管理や検査体制を公開しているメーカーかどうかも確認材料になります。
グリホサートは除草剤に使われる成分で、日本の販売用ペットフードでは15μg/g以下という基準が設けられています。
IARCは2015年にグリホサートをグループ2A「ヒトに対しておそらく発がん性がある」に分類しました。ただし、IARC自身もこの分類は発がんの「危険性」を示すもので、実際にがんになる確率は曝露の種類や量などによって変わると説明しています。
そのため、IARCの分類だけを根拠に、基準内のドッグフードを食べることによる発がんリスクまで断定することはできません。
亜硝酸ナトリウムは、肉製品などで色調を保つ目的に使われることがある添加物です。現在のペットフード安全法では、販売用ペットフード中の含有量を100μg/g以下とする成分規格が設けられています。
発がん性を気にする方が避けたい成分として名前を目にすることがありますが、表示に記載されているだけで直ちに健康被害につながるとは判断できません。
気になる場合は、亜硝酸ナトリウムや人工的な発色剤を使用していないことを明示したフードから選ぶ方法もあります。
BPA(ビスフェノールA)は、ドッグフードそのものに加える添加物ではなく、缶などの内面コーティングに使われる樹脂と関係する物質です。そのため、原材料表示だけでは使用状況を確認できない場合があります。
缶詰をよく利用していて気になる方は、容器の仕様やメーカーの案内を確認するとよいでしょう。
缶詰フードの添加物や容器については、「犬が缶詰しか食べないのは体に悪い?健康リスクと安全な与え方を徹底解説」でも詳しく整理しています。
「発がん性」という言葉はインパクトが強いため、成分名を見ただけで避けたくなるかもしれません。しかし、安全性を判断するときは、発がん性の分類・摂取量・法律上の基準を切り分けて考えることが重要です。
ペットフード安全法の基準値は、犬や猫の健康を守るために科学的知見などをもとに設定されています。基準がある成分を見つけたからといって、その成分が禁止されている、あるいは基準内でも危険だという意味ではありません。
一方で、基準値以下ならどの製品も同じということでもないため、原材料の情報やメーカーの品質管理とあわせて確認することが大切です。
IARCのグループ分類は、その物質が一定の条件でがんを引き起こす可能性について、どの程度の科学的証拠があるかを評価する「ハザード分類」です。
たとえばグリホサートのグループ2Aという分類から、一般的なドッグフードを食べた犬の発がん確率を直接計算することはできません。IARCも、実際にがんになる確率は曝露の種類や程度などによって異なると説明しています。
検索で「発がん性」という言葉だけを見ると不安になりやすいため、発がん性の可能性と、日常生活での実際のリスクを分けて考えましょう。
「無添加」という表示は分かりやすい目安になりますが、その言葉だけでドッグフード全体の安全性を判断するのはおすすめできません。
製品によって不使用としている添加物の範囲は異なり、栄養を整えるためにビタミンやミネラル類が添加されることもあります。実際、このこのごはんでも、複数の添加物を使用していない一方で、必要な栄養を補うためビタミンとミネラルには合成のものを使用すると説明しています。
何が使われていないかだけでなく、何が使われているのかまで確認することが大切です。
発がんリスクを完全にゼロにできるドッグフードはありません。それでも、原材料や添加物を確認し、情報開示や品質管理に配慮した商品を選ぶことで、納得しやすいフード選びにつながります。
まず確認したいのは、パッケージに記載された原材料と添加物です。BHA・BHT・エトキシキンなどを避けたい場合は、不使用の表示だけでなく原材料欄にも目を通しましょう。
また、「動物性油脂」など特定の表記があるだけで危険と決めつけるのではなく、メーカーが原料の由来や品質についてどこまで説明しているかを見ることも大切です。
原材料の並び順や添加物の確認方法は、「ドッグフードの成分表の見方|避けたい添加物と原材料」で詳しく解説しています。
同じような原材料を使ったフードでも、原料の受け入れ検査、製造工場の衛生管理、完成品の検査など、品質管理の方法はメーカーによって異なります。
公式サイトで原材料の産地や製造国、品質管理、問い合わせ窓口などを確認できる製品は、比較するための情報を集めやすいでしょう。
添加物だけに注目しすぎず、フード全体の安全性を確認することが大切です。基礎から整理したい方は、「ドッグフード成分と安全性|添加物・原材料・安心できる選び方」も参考にしてください。
購入後の保存も、ドッグフードの品質を保つうえで重要です。開封したフードを高温多湿の場所に置いたり、袋を開けたまま長く保管したりすると、酸化や湿気、カビなどによる品質低下につながります。
開封後はパッケージをしっかり閉じ、メーカーが指定する保存方法と使用期限に従いましょう。
大容量を購入すると割安になることもありますが、愛犬が無理なく使い切れる期間を考えてサイズを選ぶことも大切です。
発がん性が気になる方に向けて、原材料や添加物について比較しやすいドッグフードを3商品紹介します。「発がん性がない商品」という意味ではなく、原材料の情報開示や特定の添加物を使用していないことなどを確認しやすい商品を選びました。

モグワンは、動物性タンパク源を50%以上使用したグレインフリーのドッグフードで、公式サイトでは着色料・香料不使用と案内されています。
「発がん性がない」と断定できる商品ではありませんが、原材料を確認しながら人工的な着色料や香料を避けたい方にとって比較候補のひとつです。
モグワンを含む複数商品の違いを見たい方は、「プレミアムドッグフードおすすめ5選」の比較表も参考にしてください。

このこのごはんは小型犬向けの国産ドッグフードで、公式サイトでは香料・着色料・保存料・防カビ剤・増粘剤・発色剤・酸化防止剤(BHA・BHT)を使用していないと案内されています。
一方、必要な栄養を補うため、ビタミンとミネラルには合成のものも使用しています。
「無添加」という一言だけでなく、どの添加物を使用していないのかまで具体的に確認したい方にとって、比較しやすい商品です。

カナガンドッグフード チキンは、公式サイトでチキン生肉26%、乾燥チキン25%など、主要な原材料と配合割合が公開されています。
原材料を細かく確認しながらフードを選びたい方にとって、情報をチェックしやすい点が特徴です。
添加物の有無だけで安全性を決めるのではなく、愛犬の年齢や体質、栄養バランスとの相性も含めて比較しましょう。詳しい原材料や口コミは「カナガンドッグフードの口コミ・安全性を解説」で紹介しています。
ドッグフードと発がん性について調べると、添加物や無添加表示など、判断に迷いやすいポイントがいくつも出てきます。特に気になりやすい疑問をまとめました。
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市販のドッグフードに発がん性物質は入っていますか?
市販のドッグフードの中には、BHAなどの添加物や、原料由来の農薬・カビ毒など、発がん性との関係が研究されている物質が含まれる可能性があります。ただし、日本では対象成分ごとに上限値が定められており、「含まれる可能性がある=そのフードを食べるとがんになる」という意味ではありません。種類・量・品質管理を分けて考えることが大切です。
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BHAやBHTは避けた方がいいですか?
BHAやBHTをできるだけ避けたい場合は、不使用を明示したフードを選んでも問題ありません。ただし、BHAはIARCグループ2B、BHTはグループ3で評価が異なり、日本のペットフードでは含有量にも上限があります。成分名だけで危険性を断定するのではなく、基準や使用目的まで確認したうえで選ぶとよいでしょう。
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無添加フードなら安心ですか?
無添加と書かれているフードでも、安全性が自動的に保証されるわけではありません。何を「無添加」としているのかは商品ごとに確認する必要があり、栄養調整のためにビタミンやミネラルが加えられることもあります。原材料、成分表示、製造や検査の情報まで合わせて比較することが大切です。
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ドッグフードの発がんリスクを減らすには?
発がんリスクを完全にゼロにする方法はありませんが、国内の基準に適合した製品を選び、原材料や添加物の表示、メーカーの品質管理情報を確認することはできます。さらに、開封後はメーカー指定の方法で保存し、湿気や高温を避けて品質を保つことも重要です。気になる成分がある場合は、不使用を明示した商品を比較すると選びやすくなります。
ドッグフードの「発がん性」が気になると、BHAやBHT、エトキシキン、グリホサートなどの名前だけを見て不安になってしまうことがあります。
しかし、市販のドッグフードすべてに発がん性があるわけではなく、日本ではペットフード安全法によって一部の添加物・農薬・汚染物質に含有量の上限が設けられています。
大切なのは、成分が使われているかどうかだけで危険と決めつけず、基準値や使用目的、メーカーの品質管理まで含めて確認することです。また、「無添加」という表示だけに頼らず、原材料や成分表示を自分で確認し、開封後の保存にも気を配りましょう。
愛犬の体質や年齢に合った栄養バランスを前提に、確認できる情報を一つずつ比べることが、納得できるドッグフード選びにつながります。
CHECK! 🐶
気になる添加物だけでなく、フード全体の成分バランスや原材料の安全な選び方についても基礎知識を押さえておくことが大切です。

こんにちは、愛犬ごはんノート編集部 minamiです。現在は柴犬のムギ(9歳)とザネ(7歳)と暮らしています。
ムギは子犬の頃から皮膚が弱く敏感肌で、ザネは内臓が少し繊細。日々の食事が体調に大きく影響するので、これまで20種類以上のドッグフードを試してきました。
成分や原材料について調べるのが趣味のようになり、自分なりに学んだことや、実際に愛犬に与えてきたフードの体験談をこのサイトでご紹介しています。
愛犬の健康に不安がある方や、どのフードを選べばいいか悩んでいる方にとって、少しでもヒントになればうれしいです。
運営者名:愛犬ごはんノート編集部 minami
愛犬の食事管理歴15年以上、20種以上のフード比較経験。
参照・取材方針:公的機関・学術資料を一次情報として優先し、体験談とは区別して解説します。
本記事は一般的情報であり、診断・治療の代替ではありません。医療判断は獣医師へ。