
手作りドッグフードに興味はあるものの、「本当に栄養は足りるの?」「作り方が難しそう…」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。市販フードにはない安心感がある一方で、間違った方法では愛犬の健康を損ねてしまうリスクもあります。
この記事では、初心者の方でも無理なく始められる手作りドッグフードの作り方を、基本の手順から簡単なレシピ例、体重別の分量目安までわかりやすく解説します。さらに、栄養バランスの考え方や注意点、市販フードと併用するコツも紹介します。
「愛犬の体にやさしいごはんを用意してあげたい」「まずはできるところから手作りに挑戦してみたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
手作りドッグフードは、飼い主が食材を選び、自宅で調理して与える愛犬のためのごはんです。安心感がある一方で、正しい知識がないまま始めると栄養が偏ることもあります。まずは基本的な考え方を理解して、無理のないスタートを切りましょう。
手作りドッグフードの大きな魅力は、使う食材を自分で選べる点にあります。添加物を避けやすく、アレルギーが気になる犬や食いつきが悪い犬にも対応しやすいのが特徴です。
また、愛犬の体調や好みに合わせて内容を調整できるため、「その子に合ったごはん」を用意できる安心感も得られます。食事を通して健康管理に関われることは、飼い主にとっても大きなメリットといえるでしょう。
市販のドッグフードは、総合栄養食として栄養バランスが計算されている点が強みです。一方、手作りごはんは自由度が高い分、栄養設計を自分で考える必要があります。
そのため、どちらか一方にこだわるのではなく、市販フードをベースに手作りを取り入れたり、体調に合わせて併用したりする方法も現実的です。それぞれの良さを理解して、愛犬に合ったスタイルを選ぶことが大切です。
手作りドッグフードは、特別な調理技術がなくても基本の流れを押さえれば始められます。最初に覚えておきたいのは、食材選びから調理、保存までの一連の手順です。無理なくスタートできる、シンプルな手作りごはんの始め方をご紹介します。
手作りドッグフードの基本は、流れを覚えてしまえばとてもシンプルです。まず①消化しやすい肉や魚、野菜、炭水化物などの食材を選び、②よく洗って下処理を行います。
次に③食中毒を防ぐため基本は加熱調理し、火が通ったら④細かく刻んで全体を混ぜ合わせます。最後に⑤人肌程度まで冷ましてから与えることで、犬が食べやすく安全なごはんになります。
この5ステップを押さえておけば、初心者でも無理なく手作りを始められるでしょう。
初心者がつまずきやすいのは、味付けをしてしまうことや、食材の種類を増やしすぎてしまう点です。犬には塩分や調味料は不要で、素材そのものの味で十分です。
また、いきなり多くの食材を使うと消化不良を起こすこともあります。最初はシンプルな内容から始め、便の状態や体調を見ながら少しずつ調整することが、失敗を防ぐコツといえるでしょう。
手作りドッグフードに初めて挑戦するなら、消化しやすく手に入りやすい食材を使ったシンプルなレシピから始めるのがおすすめです。ここでは、初心者でも作りやすい代表的なレシピ例を紹介します。
鶏ささみは高たんぱくで脂肪が少なく、初心者でも扱いやすい食材です。ゆでて細かく刻んだささみに、やわらかく煮たにんじんやかぼちゃ、キャベツなどの野菜を加えて混ぜ合わせるだけで、シンプルな一皿が完成します。
最初は味付けをせず素材のまま与え、便の状態や食いつきを見ながら量を調整しましょう。野菜の種類や下処理のポイントについては、犬に与えていい野菜をまとめた記事で詳しく紹介しています。
タラやカレイなどの白身魚は、脂肪が少なく消化しやすいため、お腹が弱い犬にも向いています。骨をしっかり取り除いた魚をゆで、やわらかくしたかぼちゃと一緒に細かくほぐして混ぜるだけで、やさしい味わいのごはんになります。
魚の香りは食欲を刺激しやすいので、食いつきが気になる犬にも試しやすいレシピです。初めて与える場合は少量から始め、体調に変化がないかを確認しましょう。
手作りドッグフードで多くの方が悩むのが、「どれくらいの量をあげればいいのか」という点です。量が少なすぎれば栄養不足になり、多すぎれば肥満の原因にもなります。
まずは、体重を目安にした分量の考え方を押さえて、愛犬の様子に合わせて調整していきましょう。
手作りドッグフードの分量は、犬の体重と活動量を基準に考えるのが基本です。一般的には、成犬で体重1kgあたり30〜40g程度を1日の目安とし、3kgなら約90〜120g、5kgなら約150〜200gほどがひとつの基準になります。
ただし、これはあくまで目安であり、年齢や運動量、体質によって必要量は変わります。最初は少なめから始め、愛犬の様子を見ながら調整することが大切です。
分量が適切かどうかを判断するには、毎日の便の状態や体型を観察することがとても重要です。便がゆるくなる場合は量が多すぎたり消化に負担がかかっている可能性があり、逆に硬すぎる場合は水分や量が不足していることも考えられます。
また、肋骨に軽く触れて分かる程度が理想体型とされているため、太り気味・痩せ気味になっていないかも定期的に確認しましょう。こうしたサインを見ながら微調整することが、健康的に続けるコツです。
手作りドッグフードは自由度が高い反面、栄養バランスが偏りやすい点に注意が必要です。短期間なら大きな問題になりにくくても、同じ内容を続けると不足しやすい栄養が出てくることもあります。
愛犬の健康を守るために、押さえておきたい基本と注意点を確認しましょう。
手作りごはんは「お肉を多めにすれば健康的」と思われがちですが、たんぱく質だけに偏ると消化に負担がかかったり、エネルギー不足になったりすることがあります。
肉や魚は主菜として適量を意識し、炭水化物(ごはん・じゃがいもなど)でエネルギーを補い、脂質も必要量は確保するのが基本です。
さらに野菜でビタミンや食物繊維を補うことで、全体のバランスが取りやすくなります。最初は完璧を目指しすぎず、偏りが続かないよう食材をローテーションする考え方が安心です。
手作りドッグフードで特に気をつけたいのは、犬にとって危険な食材をうっかり入れてしまうことです。代表的なものにネギ類やチョコレート、ぶどうなどがあり、少量でも中毒を起こす可能性があります。
また、骨や硬い皮は喉に詰まる原因になったり、加熱不足は食中毒のリスクを高めたりするため、安全管理も欠かせません。使ってはいけない食材を事前に把握しておくと、安心して手作りを続けやすくなります。
心臓や腎臓などに不安がある犬、持病の治療中の犬は、食事内容が体に与える影響が大きくなります。
手作りは調整しやすい反面、自己判断で極端に変えると栄養の偏りや負担につながることもあるため、獣医師の指示がある場合は必ず優先しましょう。
状態によっては、負担を抑えるために配慮された市販フードをベースにする方が安全なケースもあります。
👉 心臓病に配慮したドッグフード
手作りドッグフードは魅力的ですが、毎日続けようとすると負担が大きくなりがちです。市販フードを上手に取り入れると、栄養バランスの管理がしやすくなり、忙しい日でも無理なく続けられます。初心者におすすめの併用スタイルを紹介します。
いきなり完全に手作りへ切り替えるのが不安な場合は、市販フードを主食にして、手作りを少量トッピングする方法がおすすめです。
ゆでた鶏ささみや白身魚、やわらかく煮た野菜などを少し加えるだけでも、香りや食感が変わって食いつきが良くなることがあります。まずはいつものフードの1〜2割ほどから始め、便の状態を見ながら量を調整しましょう。
ウェットを少量使う方法も取り入れやすく、食べムラ対策にも役立ちます。
👉 デビフの缶詰の安全性と評価・口コミ
手作りごはんを増やすときは、急に割合を上げないことが大切です。食事が変わると腸内環境が追いつかず、軟便や下痢につながることがあります。
特にお腹が弱い犬は、消化に配慮した市販フードをベースにして、手作りは少しずつ増やす方が安心です。また、フードが硬くて食べにくい場合は、砕いたりふやかしたりする工夫も役立ちます。愛犬の食べやすさに合わせて調整していきましょう。
手作りドッグフードを始めようとすると、「毎日作らないと意味がない?」「市販フードと混ぜてもいい?」など、細かな疑問が出てきます。初心者がつまずきやすいポイントを中心に、よくある質問をまとめました。
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毎日手作りしないと意味がない?
毎日手作りにしなくても問題ありません。市販フードをベースにしつつ、週に数回だけ手作りを取り入れたり、少量のトッピングから始めたりするだけでも十分です。無理をすると続かないため、愛犬と飼い主の負担が少ない方法を選びましょう。
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市販フードと混ぜても大丈夫?
市販フードと手作りを混ぜる方法は、初心者にとって取り入れやすい選択肢です。ただし急に割合を増やすとお腹がゆるくなることがあるため、まずは1〜2割程度から少しずつ増やすのがおすすめです。便の状態や体調を見ながら調整しましょう。
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味付けはどこまでOK?
基本的に犬の食事に塩分や調味料は必要ありません。人間用の味付けは塩分や脂質が多く、体に負担になることがあります。素材本来の味で十分食べられる犬も多いので、まずは味付けなしを基本にし、食いつきが気になるときは香りのよい食材で工夫しましょう。
手作りドッグフードは、頑張りすぎるほど負担になり、途中で続かなくなることがあります。大切なのは、愛犬の健康を守りながら、飼い主も無理なく続けられる形を見つけることです。長く続けるための考え方を整理します。
最初から毎食を手作りにしようとすると、食材の準備や調理の手間が大きく、負担が増えてしまいます。まずは週に数回だけ試す、トッピングとして少量を加えるなど、できる範囲から始めるのが現実的です。
続けやすい形を作ることが、結果的に愛犬の健康管理にもつながります。慣れてきたら食材の種類を少しずつ増やし、無理のないペースで取り入れていきましょう。
手作りごはんは自由度が高い分、体調の変化を見逃さないことが重要です。便の状態、食欲、体重、毛づやなどを日々チェックし、合わないと感じたら内容や量を見直しましょう。
持病がある犬や治療中の犬は、自己判断で大きく変えるのではなく、獣医師の指示に沿って調整することが安心です。手作りは「愛犬に合う形を探す」姿勢で続けるのがコツです。
手作りドッグフードは、食材を自分で選べる安心感がある一方で、栄養の偏りや与えてはいけない食材など注意点もあります。
初心者は、まず基本の作り方を5ステップで理解し、鶏ささみや白身魚など消化しやすい食材を使った簡単レシピから始めると失敗しにくくなります。分量は体重を目安にしつつ、便や体型を見ながら微調整することが大切です。
毎日手作りにこだわらず、市販フードをベースにトッピングで取り入れる方法なら、栄養管理もしやすく負担も減らせます。完璧を目指さず、愛犬の体調を最優先に、続けられるスタイルを見つけていきましょう。

こんにちは、愛犬ごはんノート編集部 minamiです。現在は柴犬のムギ(9歳)とザネ(7歳)と暮らしています。
ムギは子犬の頃から皮膚が弱くアレルギー性皮膚炎があり、ザネは内臓が少し繊細。日々の食事が体調に大きく影響するので、これまで20種類以上のドッグフードを試してきました。
成分や原材料について調べるのが趣味のようになり、自分なりに学んだことや、実際に愛犬に与えてきたフードの体験談をこのサイトでご紹介しています。
愛犬の健康に不安がある方や、どのフードを選べばいいか悩んでいる方にとって、少しでもヒントになればうれしいです。
運営者名:愛犬ごはんノート編集部 minami
愛犬の食事管理歴15年以上、20種以上のフード比較経験。
参照・取材方針:公的機関・学術資料を一次情報として優先し、体験談とは区別して解説します。
本記事は一般的情報であり、診断・治療の代替ではありません。医療判断は獣医師へ。