犬のてんかん発作は、飼い主さんにとって大きな不安のひとつです。食事だけで発作を治すことはできませんが、脳や神経をサポートする栄養素を含んだフードを選ぶことで、日常の安定につながることがあります。
この記事では、てんかんの子に配慮したフード選びのポイントと、実際におすすめできるフードを紹介します。
犬のてんかんは、脳の電気信号が乱れることで発作を起こす神経疾患です。突然体が硬直したり、けいれんしたりするため、飼い主さんにとってはとても不安な症状に見えるものです。
多くの発作は数分以内におさまりますが、繰り返すと体力を消耗し、日常生活に影響が出ることもあります。発作には軽度から重度まで幅があり、犬によって症状や頻度はさまざまです。
てんかん自体を食事で治すことはできませんが、日頃の栄養管理がサポートにつながる可能性はあります。
より詳しい種類や治療法については「犬のてんかん発作を徹底解説」の記事で紹介していますので、あわせて参考にすると安心です。
食事はてんかんを直接治すものではありませんが、脳や神経をサポートする栄養素を意識すると、日常の安定に役立つことがあります。大切なのは、安心して続けられるフードを選ぶことです。
サーモンや魚油に含まれるDHA・EPAは、神経細胞を保護し炎症をやわらげる働きが期待されています。発作を抑える効果があるとは断言できませんが、脳の健康を維持するうえでプラスに働く栄養素といえるでしょう。
継続的に与えることで体全体の健康にも良い影響をもたらします。
中鎖脂肪酸(MCT)は、糖以外のエネルギー源として脳で利用されやすい特徴があります。人間のてんかん治療に使われるケトン体食の仕組みともつながり、犬でも発作のサポートに役立つ可能性が示されています。
専用フードやサプリメントで取り入れられることが多い成分です。
ビタミンEやビタミンCなどの抗酸化成分は、神経を酸化ストレスから守る働きがあります。また、タウリンやL-カルニチンは心臓や神経の働きを助け、エネルギー代謝にも関わります。
これらは直接てんかんを治すわけではありませんが、神経の健康維持を支える成分として意識しておきたいところです。
てんかんは薬でコントロールすることが基本となる病気です。そのため、フードやサプリを取り入れる際は、必ず獣医師と相談しながら進めることが大切です。
自己判断で大きく食事を変えると、薬との相互作用や体調の変化を招く場合もあります。安全に続けるためにも、かかりつけ医のアドバイスを受けながら選んでいきましょう。
てんかんは薬での治療が基本ですが、フード選びに工夫を加えることで脳の健康を支えやすくなります。ここでは、神経ケアにつながる栄養素を含むフードを4つご紹介します。
魚を主原料にしており、DHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸をしっかり摂れるのが魅力です。神経や脳の健康維持に役立ち、皮膚や被毛のサポートにもつながります。グレインフリータイプもあり、アレルギーが気になる子にも安心して選びやすいフードです。
プレミアムフードの中でも人気が高く、サーモン由来のオメガ3をバランスよく摂れるのが特徴です。無添加・ヒューマングレードの原材料で作られているため、長期的に安心して与えられるのも魅力です。栄養面に配慮しつつ、毎日の食事をおいしく楽しめる点も大きなメリットです。
消化器への負担を減らすように設計された療法食で、脂肪を抑えつつ必要な栄養をバランスよく摂れるのが特徴です。低脂肪設計の中にMCTオイルも含まれており、脳のエネルギー補給をサポートします。
体重管理や消化トラブルが気になる犬にも適しており、てんかんを抱える子の健康維持にも取り入れやすいフードです。
シニア期の小型犬向けに設計された総合栄養食で、中鎖脂肪酸(MCT)が含まれているのが特徴です。脳のエネルギー源として利用されやすく、シニア犬の活発さや認知機能を支える働きが期待できます。
消化吸収にも配慮されており、てんかんを抱える高齢犬の健康維持にも取り入れやすいフードです。
犬のてんかんは薬での治療が基本ですが、毎日のフード選びを工夫することで、脳や神経の健康を支えるサポートができます。
オメガ3脂肪酸やMCT、抗酸化成分などを含むフードは、発作を直接治すわけではないものの、安心できる生活を支える力になります。
大切なのは、自己判断で食事を大きく変えるのではなく、かかりつけの獣医師に相談しながら取り入れることです。愛犬に合った食事を続けることが、てんかんと向き合う日々を少しでも穏やかにしてくれるはずです。