愛犬の皮膚に「かゆみ」「赤み」「フケ」「脱毛」などの症状が現れると、見ているだけで心配になりますよね。
掻きむしって眠れないほどのかゆみや、ポツポツとできる湿疹は、犬にとって大きなストレスになるだけでなく、悪化すると動物病院での治療が必要になることもあります。
こうした皮膚トラブルの背景には、アレルギーや栄養バランスの乱れ、腸内環境の悪化など、食事と深く関わる要因が多く含まれています。
そこで本記事では、皮膚トラブルの原因をやさしく解説しながら、毎日のフードでできるケア方法と、実際におすすめのドッグフードをご紹介します。愛犬の健やかな皮膚と毛並みを守る第一歩として、ぜひ参考にしてみてください。
皮膚トラブルと一言でいっても、その症状や原因はさまざまです。ここでは、特に多く見られる3つのタイプを紹介します。愛犬の状態に近いものがないかチェックしてみてください。
皮膚をしきりに掻いたり、床に体をこすりつけるような行動が見られる場合、かゆみや赤み、湿疹といった炎症が起きている可能性があります。原因として多いのは、アレルギー性皮膚炎やノミ・ダニなどの外部寄生虫、細菌感染です。
こうした炎症タイプは放っておくと悪化しやすく、傷口をなめたり掻いたりして二次感染を引き起こすリスクもあるため、早めの対応が大切です。
皮膚がカサついて白いフケが目立つ場合、乾燥肌や脂漏症の可能性があります。特に寒い季節やシャンプーの頻度が高すぎる場合、皮膚のバリア機能が低下しやすくなり、フケやかゆみが起こりやすくなります。
また、脂質やビタミン不足、保湿成分の不足が関係しているケースも多く、ドッグフードの見直しが効果的なこともあります。
急に毛が抜けたり、一部分だけハゲてしまったような状態になると心配ですよね。これは、自己免疫疾患やホルモンバランスの乱れ、アレルギー、またはストレスなど、複数の要因が関係している場合があります。
食事面では、タンパク質や亜鉛、オメガ3脂肪酸の不足が関係していることもあり、バランスの良いフードで内側からサポートすることが重要です。
皮膚のトラブルは見た目やかゆみなどの症状だけでなく、体の内側にある問題が表面化しているサインでもあります。ここでは、皮膚トラブルの主な原因と、それに合わせたフードの選び方をご紹介します。
犬の皮膚トラブルでもっとも多い原因のひとつが食物アレルギーです。特定のたんぱく源(例:鶏肉、小麦、大豆など)に反応することで、かゆみ・赤み・湿疹が出ることがあります。
この場合、グレインフリー(穀物不使用)や低アレルゲン原材料のフードに切り替えることで、症状が改善するケースが多くあります。たとえば、ラム肉や鹿肉(ベニソン)など、比較的アレルギーが出にくい食材を使ったフードがおすすめです。
また、アレルギー対策として近年注目されているのが、魚を主原料にしたドッグフードです。消化が良く、皮膚や毛並みのサポートにも効果的とされており、選択肢のひとつとしておすすめです。
皮膚がカサカサしてフケが出たり、全体的に毛並みが悪くなる場合は、脂肪酸やビタミン類の不足が関係している可能性があります。
中でも重要なのが、オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)やオメガ6脂肪酸(リノール酸)です。これらには抗炎症作用や保湿効果があり、皮膚のバリア機能を正常に保つ働きがあります。
また、ビタミンA・ビタミンE・亜鉛などのミネラルも、皮膚のターンオーバーや健康維持に欠かせない栄養素です。高品質な動物性たんぱくをベースに、これらの栄養素をしっかり補えるフードを選びましょう。
意外と見落とされがちなのが、腸内環境の乱れが皮膚に影響を及ぼすケースです。腸内の善玉菌が不足すると、栄養の吸収効率が下がったり、アレルギー反応が起きやすくなったりすることがあります。
腸内環境の改善には、乳酸菌やビフィズス菌、フラクトオリゴ糖(プレバイオティクス)などが含まれたドッグフードが効果的です。
最近では、腸内フローラに配慮したプレミアムフードも多く出ており、皮膚と腸の両面をケアする設計になっているものもあります。
皮膚トラブルを抱える愛犬には、原因に合わせた成分がしっかり含まれているフードを選ぶことが大切です。ここでは、アレルギー対応・保湿成分・腸内環境ケアなど、皮膚に配慮されたドッグフードを3つ厳選してご紹介します。
モグワンは、チキンとサーモンをバランスよく配合したグレインフリーフードで、動物性たんぱくをしっかり摂りつつ、オメガ3脂肪酸による皮膚や毛並みへのサポート力が魅力です。人工添加物や香料・着色料を一切使用していないため、アレルギーに敏感な子にも安心。
また、消化しやすいサツマイモやココナッツオイルも使われており、胃腸への負担を減らしながら腸内環境の改善にも役立ちます。皮膚トラブルの原因がはっきりしない場合でも、まず試してみたい1品です。
ナチュロルは、100%国産・グレインフリー・無添加のナチュラルドッグフード。たんぱく源には牛・鶏・馬・魚の4種の動物性原料が使われ、アレルゲンが偏りにくい構成となっています。
特筆すべきは、皮膚のバリア機能を整えるための天然由来成分(オメガ3、ビタミンE、ココナッツ)と、腸内フローラを整える乳酸菌やオリゴ糖が配合されている点です。
外からだけでなく内側から皮膚を整えることに重きを置いた設計は、特に慢性的な皮膚トラブルに悩む飼い主さんに人気があります。
皮膚トラブルが重度で、すでに治療中という場合には、療法食であるロイヤルカナンのスキンケアシリーズが検討候補に入ります。
このフードは、食物アレルギーに配慮した加水分解たんぱく質や、皮膚再生を助ける栄養素(ビオチン・ナイアシン・亜鉛)をバランスよく含んでおり、皮膚の修復と炎症抑制の両面にアプローチします。
獣医師の指導のもと使われることが多いですが、市販フードでは改善が見られなかった場合の選択肢としてとても信頼性の高い製品です。
皮膚トラブルは食事の改善だけでなく、日常生活でのケアや環境づくりも大きく影響します。愛犬の皮膚を健やかに保つために、以下のような習慣も見直してみましょう。
皮膚トラブルがある犬は、刺激の少ない低刺激シャンプーを使い、1〜2週間に1度の頻度で洗うのが目安です。洗いすぎは皮脂を奪い、逆に乾燥やフケを悪化させることもあるため注意が必要です。
また、シャンプー後は犬用の保湿ローションやスプレーで水分を補い、バリア機能の低下を防ぎましょう。季節や体質に合わせて、使用するケア用品を選ぶことも大切です。
犬の皮膚は、ストレスによっても影響を受けやすい部位です。引っ越しや家族構成の変化、日常の不安感などがあると、自分の体を舐めたり引っ掻いたりする行動が増えることもあります。
ストレスの軽減には、飼い主とのコミュニケーション、安心できる環境づくり、適度な散歩や遊びが効果的です。気分転換がうまくいくことで、皮膚への過剰な刺激を減らせる可能性があります。
意外と見落とされがちなのが、犬が寝ているベッドやブランケットの衛生状態です。皮膚がデリケートになっているときは、ちょっとした汚れやホコリ、ダニなどが悪化要因になります。
布製品は週1回程度で洗濯し、こまめに掃除機や除湿などで室内環境を清潔に保つことが予防にもつながります。また、湿度が高すぎる・乾燥しすぎているといった環境も皮膚には負担になるため、快適な湿度(40〜60%)の維持を心がけましょう。
皮膚トラブルのケアを始めたばかりの方や、フードを見直したい方が疑問に感じやすいポイントをまとめました。
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皮膚トラブルがあるとき、ドッグフードだけで改善できますか?
軽度の皮膚トラブルであれば、フードを見直すことで改善が見られるケースも多くあります。
ただし、炎症がひどい、化膿している、脱毛が進んでいるなどの場合は、獣医師の診察と併用するのが安全です。根本的な原因を突き止めてからフードでサポートするのが理想です。
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おすすめされたフードを与えればすぐに効果が出ますか?
ドッグフードの効果が見た目に現れるまでには、早くても2〜4週間程度はかかるとされています。
皮膚のターンオーバー(生まれ変わり)の周期に合わせてゆっくり変化していくため、短期間での判断は避け、少なくとも1袋は続けて様子を見るのがおすすめです。
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サプリや薬と併用しても問題ありませんか?
ほとんどのドッグフードは、動物病院の処方薬やサプリメントと併用しても問題ない設計になっています。
ただし、療法食を使用する場合や、栄養バランスが特殊なサプリを併用する場合は、かかりつけの獣医師に相談するのが安心です。特にビタミンやミネラルの過剰摂取には注意が必要です。
犬の皮膚トラブルは、日々の暮らしの中でじわじわと現れ、悪化すると大きな負担になります。
食事の見直しは、皮膚の健康を根本から整えるための大切な第一歩です。アレルゲンを避け、必要な栄養素をきちんと補えるドッグフードを選ぶことで、症状の緩和や予防につながります。
さらに、シャンプーや保湿、清潔な環境づくり、ストレスケアといった日常の小さな工夫も、皮膚を健やかに保つ上で欠かせません。愛犬の皮膚に変化を感じたら、まずはできることから始めてみましょう。