
シニア期に入った犬は、筋力低下によって歩きにくさやふらつきが目立ち、散歩や運動に不安を感じる飼い主さんも多くなります。ただ、年齢を理由に犬の運動量を大きく減らしてしまうと、筋力はさらに落ちやすくなります。
散歩の工夫や日常の動かし方、食事管理を見直すことで、犬に無理をかけずに筋力アップを目指すことは十分に可能です。
シニア犬の筋力低下は、急激に起こるというよりも、日常の中で少しずつ進行していくことが多いです。そのため「年齢のせいかな」と見過ごされがちですが、早めにサインに気づくことで、散歩の工夫や生活改善につなげやすくなります。
筋力低下が始まると、犬の歩き方に小さな変化が現れます。
歩幅が狭くなる、後ろ足を引きずるように見える、地面を蹴る力が弱くなるといった様子は代表的なサインです。また、散歩の途中で立ち止まる回数が増えたり、以前よりスピードが落ちたりする場合も注意が必要です。
こうした変化は毎日見ていると気づきにくいため、写真や動画で定期的に記録しておくと、筋力低下の進行を客観的に把握しやすくなります。
筋力低下と似た動きを見せる原因として、関節の痛みや体の不調が隠れていることもあります。触られるのを嫌がる、片足をかばうように歩く、急に散歩を拒否する場合は、単なる筋力の問題とは限りません。
また、立ち上がる際に鳴く、段差を極端に避けるといった行動も要注意です。無理に運動で改善しようとせず、違和感が続く場合は早めに動物病院へ相談することが、犬の体を守るうえで大切です。
シニア犬の筋力アップには、無理に長く歩かせるよりも、安全に体を動かす習慣を続けることが重要です。散歩の内容を少し工夫するだけで、足腰への負担を抑えながら筋力低下の進行を防ぎやすくなります。
シニア犬の散歩では、一回の距離を伸ばすことよりも、短時間の散歩を複数回に分ける方が筋力維持につながりやすいです。長時間歩くと疲労が残り、翌日に動きたがらなくなることがありますが、短めであれば体への負担が少なくなります。
朝夕に数分ずつ歩く、家の前を軽く往復するなど、小さな散歩を積み重ねることで、後ろ足や体幹を継続的に使う習慣が作れます。
散歩コースの路面選びも、筋力低下対策では見落とせないポイントです。硬いアスファルトばかりでは関節への衝撃が大きくなりやすいため、芝生や土の道を取り入れると足裏への刺激になり、バランス感覚の維持にも役立ちます。
緩やかな上り坂は筋力アップに向いていますが、下り坂は足腰に負担がかかりやすいため、距離や回数を控えめにする配慮が必要です。
体調や天候の影響で散歩が難しい日も、シニア犬にはよくあります。そのような日は無理に外へ連れ出さず、家の中で軽く体を動かすだけでも十分です。
廊下をゆっくり往復する、立ち上がって数歩進む動作を繰り返すなど、短時間でも筋肉を使うことを意識します。散歩を完全に休む日があっても問題はなく、愛犬の様子に合わせて柔軟に調整することが継続のコツです。
シニア犬は天候や体調の影響を受けやすく、毎日同じように散歩へ行けないことも少なくありません。そのため、家の中でできる室内運動を取り入れることで、無理なく筋力を維持しやすくなります。
「おすわり」と「立つ」をゆっくり繰り返す動きは、シニア犬の下半身の筋力維持に役立ちます。勢いをつけず、犬が自分の力で体を持ち上げることを意識すると、後ろ足や体幹が自然に使われます。
回数は少なめにし、途中で疲れた様子があればすぐに休ませましょう。毎日少しずつ続けることで、立ち上がりの安定感を保ちやすくなります。
体幹の筋肉は、歩行の安定や転倒予防に欠かせません。おやつを犬の左右にゆっくり動かし、頭だけでなく体ごと向きを変えるよう誘導すると、無理なく体幹を刺激できます。
また、低いクッションやマットをまたぐ動きも有効ですが、つまずきやすい場合は高さを下げて調整します。犬が楽しめる範囲で行うことが、室内運動を長く続けるポイントです。
シニア犬の筋力アップや維持には、運動だけでなく日々の食事管理が欠かせません。食べる量や内容が体に合っていないと、筋肉が落ちやすくなったり、逆に体への負担が増えたりします。
筋力低下が進んでいる犬にとって、体重の増えすぎは足腰への大きな負担になります。一方で、食事量を減らしすぎると筋肉まで落ちやすくなるため、適正体重を保つことが重要です。
肋骨に軽く触れられる状態を目安に、体型を定期的に確認しましょう。おやつやトッピングの量も含めて全体のカロリーを調整することで、筋肉を守りながら無理のない体重管理につながります。
筋肉の材料となるたんぱく質は、シニア犬にとっても欠かせない栄養素です。ただし、量を増やせば良いわけではなく、体調や持病によっては負担になる場合もあります。
まずは総合栄養食を基本に、しっかり食べられているかを確認することが優先です。食欲が落ちている場合は、香りや食感を工夫して摂取量を安定させることが、筋力維持につながります。
シニア犬は水分摂取量が減りやすく、体のこわばりや食欲低下につながることがあります。ドライフードをぬるま湯でふやかす、ウェットフードを少量混ぜるなどの工夫で、水分と栄養を同時に補いやすくなります。
また、噛む力が弱くなっている犬には、粒の大きさや硬さにも配慮すると安心です。食べやすさを整えることは、結果的に筋肉を支える力になります。
シニア犬の筋力アップは、短期間で結果を求めるよりも、日々の習慣として無理なく続けることが大切です。運動や散歩、食事管理をやりすぎてしまうと、かえって体に負担がかかるため、続け方と注意すべきサインを知っておく必要があります。
筋力維持を目的とした運動は、毎日必ず行う必要はありません。散歩や室内運動を組み合わせながら、週単位でバランスを取ることがポイントです。
調子の良い日は少し体を動かし、疲れている様子があれば休む判断も大切になります。運動量を記録しておくと、犬の体調の変化に気づきやすくなり、無理のないペースを作りやすくなります。
筋力アップを意識するあまり、犬が発する不調のサインを見逃してしまうことがあります。散歩の翌日に歩き方がぎこちない、寝ている時間が極端に増える、体に触れるのを嫌がる場合は、負荷が強すぎた可能性があります。
運動後に元気が残っているかを一つの目安にし、違和感が続くときは無理をせず休ませることが、筋力低下を防ぐうえでも重要です。
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筋力アップは何歳から意識すべきですか?
シニア犬の筋力アップは、明確な年齢よりも筋力低下のサインが見え始めた時点で意識するのがおすすめです。歩くスピードが落ちた、立ち上がりに時間がかかるなどの変化があれば、年齢に関係なくケアを始める価値があります。早めに散歩の工夫や生活改善を取り入れることで、筋力の低下を緩やかにしやすくなります。
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散歩を嫌がる日は無理に歩かせた方がいいですか?
散歩を嫌がる日は、無理に歩かせる必要はありません。体調や気分によって運動量に波が出るのはシニア犬では自然なことです。無理に外へ連れ出すより、家の中で数分歩かせる、立つ動きを軽く行うなど、負担の少ない代替運動に切り替える方が安全です。休む判断も筋力ケアの一部と考えましょう。
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食事管理で一番大切なポイントは何ですか?
シニア犬の筋力維持で最も重要なのは、適正体重を保つことです。体重が増えすぎると足腰への負担が大きくなり、逆に食事量を減らしすぎると筋肉が落ちやすくなります。総合栄養食を基本に、食べる量やおやつの与え方を見直しながら、体型を定期的にチェックすることが大切です。
シニア犬の筋力アップは、若い頃のような運動を目指すことではなく、今の体の状態をできるだけ長く維持することが目的になります。
筋力低下は年齢とともに自然に起こりますが、散歩の工夫や室内での軽い運動、食事管理を見直すことで、進行を緩やかにすることは十分に可能です。大切なのは、犬の様子をよく観察し、無理をさせない範囲で体を動かす習慣を続けることです。
また、体重管理や食べやすさへの配慮は、筋肉や関節への負担を減らすうえで欠かせません。
歩き方の変化や痛みのサインが見られる場合は、自己判断で運動量を増やすのではなく、早めに動物病院へ相談することも重要です。日々の小さな積み重ねが、シニア犬の安心できる生活と、穏やかな毎日につながっていきます。

こんにちは、愛犬ごはんノート編集部 minamiです。現在は柴犬のムギ(9歳)とザネ(7歳)と暮らしています。
ムギは子犬の頃から皮膚が弱くアレルギー性皮膚炎があり、ザネは内臓が少し繊細。日々の食事が体調に大きく影響するので、これまで20種類以上のドッグフードを試してきました。
成分や原材料について調べるのが趣味のようになり、自分なりに学んだことや、実際に愛犬に与えてきたフードの体験談をこのサイトでご紹介しています。
愛犬の健康に不安がある方や、どのフードを選べばいいか悩んでいる方にとって、少しでもヒントになればうれしいです。
運営者名:愛犬ごはんノート編集部 minami
愛犬の食事管理歴15年以上、20種以上のフード比較経験。
参照・取材方針:公的機関・学術資料を一次情報として優先し、体験談とは区別して解説します。
本記事は一般的情報であり、診断・治療の代替ではありません。医療判断は獣医師へ。